「輝き取り戻す」――“1冊の百貨店”シャディ、ロコンドとラオックスが共同買収:共同出資会社の傘下に
ロコンドとラオックスが、ギフト販売のシャディを共同買収。両社のITインフラとノウハウを組み合わせ、落ち込みが続くシャディの業績を立て直す狙い。共同出資する投資会社の傘下にシャディを置く形となる。
ファッション通販サイトを手掛けるロコンドと免税店運営のラオックスは3月26日、ギフト販売会社シャディを20億円で共同買収すると発表した。「1冊の百貨店」というキャッチコピーで知られるシャディだが、近年は業績が落ち込んでいた。ロコンドとラオックスのITインフラとノウハウを組み合わせ、シャディの業績を立て直す。
2020年度までにシャディのEC(インターネット通販)分野の売上高を50億円に引き上げるとしている。
買収は、ロコンドが3月12日に設立した非上場企業への投資事業を担うベンチャー「L Capital TOKYO」(LCT、東京都渋谷区)を通じて行う。LCTは20億円を投じ、シャディの親会社ニッセンホールディングス(HD)から全株式(100株)を取得する。
同時に、ロコンドが実施する12億円の第三者割当増資をラオックスが引き受け、LCT株の60%を取得する。これにより、共同出資する投資会社の傘下にシャディを置く体制となり、両社のEC・物流面での強みをシャディに応用可能となる。
株式譲渡の実行日と第三者割当増資の払込期日は4月27日を予定する。
「1冊の百貨店」で認知度向上も、近年は業績低迷
シャディは1926年(昭和元年)に「アサヒ扇子本舗」として創業。その後、カタログギフト事業をメイン事業に据え、79年に現在の社名になった。「シャディは1冊の百貨店」とうたうテレビCMを展開して認知度を高めた。
ただ、近年は「時代の変化に付いていけなくなった」(ロコンドのIR資料より)ため業績が低迷。2017年2月期(16年1月〜17年2月)には10億円の営業赤字と9億円の最終赤字を計上していた。
ロコンドは今後、シャディにITインフラを導入して固定費用を削減するなどの経営改革を進める。ラオックスは、自社の店舗網でシャディの製品を取り扱うことで訪日客に訴求していく。ECサイトの最適化なども行っていく。
ロコンドは「あの頃のキラキラしたシャディを取り戻す」、ラオックスは「本件により、新たな顧客層の開拓やこれまで以上の商品提案力の強化が可能となる」とそれぞれコメントしている。
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