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アトランタ市の復旧難航 サイバー攻撃で紙と電話頼みに「猛烈にイライラする」(3/3 ページ)

米アトランタ市当局幹部は3月31日の土曜日、ずっとオフィスに籠らなければならない事態に陥った。サイバー攻撃でダウンした基幹システムの復旧に取り組むためだ。

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<脆弱性>

1930年に建設されたネオゴシック様式の構造にモダンで巨大なウィング(翼部)を増築したアトランタ市庁舎と同様に、市のコンピューターシステムにも新旧が混在している。

「地方自治体が脆弱なのは、あまりにも多くのシステムが混在しているからだ」とノーブル氏は語る。

アトランタ市は1月、サイバーセキュリティを巡る監査結果を公表。勧告された施策の実施に着手したところだった。この監査では、記録保管の改善と、テクノロジー担当職員の増員を求めていた。

シュック市会議員は、データ復旧のために市が負担するコストを懸念しつつも、今後の攻撃に備えるためのサイバーセキュリティ強化に向けた予算措置を支持すると述べた。

今のところ同議員のスタッフは、旧式ノートパソコン1台をその場しのぎで使い回しているという。

「ひどく手間取っている」と同議員は語る。「こんなふうにシステムが使えなくなるなんて、とても現実とは思えない体験だ」

「身代金」の支払い期限を3月28日とする脅迫状の画像を地元テレビ局が放映したが、1月に就任したケイシャ・ランス・ボトムス市長は、市が期限前に「身代金」を払ったかどうか確認を拒んでいる。

市の財政小委員会の委員長を務めるシュック議員は、ハッカーとの交渉があったかどうかは確認できないが、これまでのところ何らかの支払いが行われた様子はない、と述べた。

アトランタ市の攻撃対応を支援する米連邦捜査局(FBI)では、通常、ランサムウェアの被害者に「身代金」を支払わないよう勧めている。

FBI関係者からコメントは得られていない。国土安全保障省の報道官は、FBIがアトランタ市による対応を支援していることを認めたが、それ以上のコメントは拒んでいる。

国土安全保障省の元高官でサイバー分野を担当していたマーク・ウェザフォード氏は、「身代金」が支払われない場合、ハッカーは通常そのまま姿を消すことが多いと語る。

ウェザフォード氏は以前、カリフォルニア州の最高情報セキュリティ責任者を務めており、市がすぐに「身代金」を支払っていれば、たいした苦労もなく状況を解決できた可能性があると指摘。

「長引けば長引くほど、状況は悪化する」とウェザフォード氏。「結局データを回復できなければ、本当に酷いことになりかねない」

(翻訳:エァクレーレン)

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