東芝、「東芝メモリの売却中止」報道にコメント 「早期の譲渡目指す」:社内で「売る必要ない」との声も?
東芝が、「東芝メモリ」の売却を取りやめる方向で検討しているとの報道にコメント。「東芝メモリの早期の譲渡完了を目指している」とした。一部報道機関が「5月末までに独占禁止法の審査で中国当局の承認が得られない場合は売却を中止する」などど報じていた。
東芝は4月23日、半導体メモリ子会社「東芝メモリ」の売却を取りやめる方向で検討しているとの報道に対し、「東芝メモリの早期の譲渡完了を目指している」とのコメントを発表した。一部報道機関が22〜23日に、「5月末までに独占禁止法の審査で中国当局の承認が得られない場合に、同子会社の売却を中止する方針を固めた」などと報じていた。
東芝は昨年9月末、財務状況の改善などを目的に、米投資ファンドのBainCapitalや韓国半導体大手のSK hynixを中核とする“日米韓連合”に同子会社を約2兆円で売却する契約を結んでいた。
しかし、半導体メモリ市場の寡占がさらに進むことを懸念した中国当局が独禁法審査を開始。その後審査は難航し、当初は3月末に完了予定だったが、4月末現在に至るまで長引いている。
こうした状況を踏まえ、22日付の毎日新聞が「東芝が東芝メモリの売却中止を検討している」「すでに債務超過を解消しているため、東芝内でも『売る必要はなくなった』との声が出ている」などと報道。
23日付の日本経済新聞も「中国当局による独禁法の審査は5月28日に最終期限を迎える」と時期を明示した上で、「東芝は東芝メモリを売却できない場合の代替策の検討を始め、その旨を主要銀行団に伝えた」と報じた。
これに対し、東芝は「当該期限については当社から公表したものではない」「特定の条件下での、売却取りやめを含むいかなる具体的な方針も決定していない」とコメントしている。
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