1Qは赤字のLINE、減益要因は「フィンテック・AI」への投資:新会社などを強化
LINEの2018年1〜3月期の連結決算は、純損益が13億8300万円の赤字に転落した。広報担当者によると、その要因は「フィンテック・AIへの投資」を行ったためという。18年1〜12月期通期の業績予想は開示しなかった。
LINEが4月25日発表した2018年1〜3月期の連結決算は、売上高が487億3600万円(前年同期比25.2%増)、営業利益が12億4600万円(同69.0%減)、純損益は13億8300万円の赤字(前年同期は14億3700万円の黒字)と増収減益だった。
LINEの広報担当者によると、減益要因は「フィンテック(IT技術を活用した金融取引技術)とAI(人工知能)の分野で大規模な投資を行ったため」という。
具体的には「1月に設立した新会社『LINE Financial』や、決済サービス『LINE Pay』の強化に力を入れた。AIアシスタント『Clova』の成長に向けた投資も行った」(同)と説明する。
フィンテック・AIを強化。
LINE Financialの資本金は50億円。仮想通貨事業などを始める予定で、現在は金融庁の登録審査を受けている段階。4月25日付で損害保険ジャパン日本興亜とも業務提携を結んでおり、年内にもスマホ特化型の損保事業を始める予定だ。
LINE Payは、加盟店の開拓や対応自動販売機の増加を図ったほか、国内では公共料金の請求書支払いに対応。18年1〜3月期の決済高(全世界)は1730億円に上った。
AIの分野では、スマートスピーカー「Clova Friends」がLINE通話の着信にも対応するなど、機能の拡充を進めている。
「モバイルアプリケーション市場は国内外で急激に変化しており、不確実性が存在する」とし、18年1〜12月期通期の業績予想は開示しなかった。
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