ドコモが4段階定額「ベーシックパック」導入 狙いは?:減収300億円の対価は
NTTドコモが、データ使用量に応じて自動的に4段階の料金が適用される定額プランを5月25日から提供する。「ベーシックシェアパック」「ベーシックパック」の2種類。会見で吉澤和弘社長が狙いを語った。
NTTドコモは4月27日、データ使用量に応じて自動的に4段階の料金が適用される定額プラン「ベーシックシェアパック」「ベーシックパック」を5月25日から提供すると発表した。前者は家族がデータを分け合えるもので、後者は個人向け。「データ容量が少ないユーザーの流出を防ぐ狙いがある」(吉澤和弘社長)という。
データ量の上限と月額料金は、「ベーシックシェアパック」が5GB(6500円)、10GB(9000円)、15GB(1万2000円)、30GB(1万5000円)。「ベーシックパック」が1GB(2900円)、3GB(4000円)、5GB(5000円)、20GB(7000円)となっている(いずれも税別、以下同)。
家族内通話が無料になる「シンプルプラン」、長期ユーザー向けの優遇プラン「docomo with」「ずっとドコモ割プラス」を合わせて契約すると、「ベーシックシェアパック」は月額1980円から、「ベーシックパック」は月額2480円からスマートフォンを利用できる。
「データSパック」「データMパック」など4プランは、5月24日をもって新規申し込み受け付けを終了する。
吉澤社長「段階的に無駄なく使える」
吉澤社長は「段階的に無駄なく使ってもらえるためお得になる」と強調。料金体系を4段階とした理由は、「従来の料金プラン『データパック』との整合性を持たつつ、従量課金制との差別化を図るため」と説明。
新プランを世に出す背景についても言及し、「ユーザー分析の結果、パケット数の少ない層の解約が少し増えてきたことを踏まえた。総務省が開催する『モバイル市場の公正競争促進に関する検討会』で、利用データの少ない顧客向けプランを拡充すべきとの意見が出たことも参考にした」(吉澤社長)とした。
佐藤啓孝財務部長は「今回の割引プランの展開は300億程度の減収につながると考えているが、解約抑止効果を見込んでいる。減収の影響は時間の経過とともに回復するだろう」と話している。
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