「名探偵コナン」人気を引っ張る「安室透」 意外なところにも“安室効果”:メルカリでも急上昇
劇場版「名探偵コナン」最新作が好調。5週連続1位を獲得し、累計興行収入は67億円を突破。人気を引っ張るのは新たにメインキャラクターとして活躍する「安室透」だ。
「名探偵コナン」の劇場版最新作が好調だ。4月13日公開の「名探偵コナン ゼロの執行人」は、全国映画動員ランキング(興行通信社調べ)で5週連続1位。累計興行収入は67億円を突破している。
「名探偵コナン」は青山剛昌さん原作の人気シリーズ。映画は春〜GW時期の定番となっている。実は2011年の15作「沈黙の15分(クォーター)」以降、年々興行成績を伸ばしており、17年公開の「から紅の恋歌(ラブレター)」は過去最高の約69億円を記録した。22作目となる本作は昨年の記録を塗り替える見通しだ。
本作の好調のカギとなっているのは、メインキャラクターとして登場する「安室透」。主人公のコナンたちに協力する私立探偵だが、実はコナンと敵対する「黒の組織」の一員であり、さらに公安警察の捜査官でもある……という“トリプルフェイス”をもつキャラクターだ。「機動戦士ガンダム」のアムロ・レイ役で知られる古谷徹さんが声優を務めている。若い女性に人気があり、歴代最高興収の“エンジン”になっている。
同作は飲食店やイベントなどのコラボを積極的に行っているが、今年は映画の展開に合わせて安室をメインキャラクターとする企画が多い。日本科学未来館(東京都江東区、7月8日まで)の「科学捜査展 真実への推理(アブダクション)」、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪市、6月24日まで)の「名探偵コナン・ワールド」、SCRAPとのリアル脱出ゲーム企画「公安最終試験(プロジェクト・ゼロ)からの脱出」――と、いたるところで安室透が露出している。
意外なところにも“安室効果”が見られている。メルカリは5月15日、3月と比較して検索数が急増した「4月の検索急上昇ワード」を発表。「yeezy500」「ラッシュガード」に次ぎ、3位に入ったのが「安室透」だ。メルカリは「『 ゼロの執行人』のメインキャラクターとして登場したことにより検索数が急上昇。キーホルダーやぬいぐるみなどのグッズが人気となっている」とコメントしている。
「ゼロの執行人」は興収80億円超えが現実味を帯びてきた。国内の歴代興収ベスト100(興行通信社調べ)によると、80億円は「ハリー・ポッターと謎のプリンス」(09年)や「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」(03年)に並ぶ記録。“安室効果”でどこまで数字を伸ばすか注目だ。
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