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35歳でフリーライターになった元公務員が踏んだ「修羅場」独立を告げた時、「周囲」はどう反応したか(3/5 ページ)

 公務員の安定を捨てて独立する――。希望の道に進むのは素晴らしいことではあるものの、そのプロセスは決してバラ色ではない。独立を切り出したとき、妻や母、職場の上司など、「周囲」はどう反応したか。35歳で公務員を辞めてフリーライターになった小林義崇さんに、当時の苦悩を振り返ってもらった。

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Facebookで著者に連絡 「ブックライター塾」入塾へ

 もともと読書を好む私は、まったく知らない、けれど心ひかれる「ブックライター」という仕事に興味を持ち、上阪氏にFacebookを通じて連絡をした。幸いにしてお返事をいただき、その後、上阪氏が主宰する「ブックライター塾」の第1期生として学ぶ機会を得ることができた。

 もちろん、入塾をした時点では国税職員を辞めるまでのことは考えていなかったのだが、塾での学びや、プロのライターや出版社の方々との出会いは、「自分もライターになりたい」と思わせるに十分だった。自分の知らない人や世界に触れ、それを言葉で表現するという仕事にワクワクしたのだ。このときから、私は「ライターに転身すべきか」という問いに向き合うことになる。

 抱えていた迷いを、唯一相談していたのは、職場で親しかった1人の先輩だった。何がきっかけで打ち明けたのかは思い出せないが、それから数え切れないくらい飲みに付き合ってもらった。その時々で、「ライターになる」と「職場に残る」が行ったり来たりする私に対して、賛成も反対もせず、「どちらを選んだにせよ応援するよ」と言ってくれていた。それは、答えの出せない私にとっては、とても安心できる時間だったと思う。

 そうした日々を過ごすうちに、いつの間にかブックライター塾からはじまった人の縁はだんだん広がっていく。ライターや出版社、メディアなどの方から、「独立したら、仕事をお願いしたい」という声をいただくことも増えていった。少しずつではあるが独立後に光が見えてきた私は、意を決して、職場に辞意を伝えることになる。2016年9月のことだった。

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