話題のカプセルトイ「だんごむし」なぜ開発? 生みの親に聞いてきた:開発2年「奇跡が起きた」(1/3 ページ)
バンダイが発表した、ダンゴムシを1000%スケールで立体化したカプセルトイ「だんごむし」が話題だ。商品コンセプトはいかにして思いついたのか。開発の裏に何があったのか。開発担当者に話を聞いた。
バンダイが6月4日に発表した、ダンゴムシを1000%スケールで立体化したガシャポン(カプセルトイ)の「だんごむし」が、ネット上で大きな話題を呼んでいる。
ダンゴムシの構造を徹底的に研究し、2年の開発期間を経て誕生。丸くなる体を忠実に再現しており、自販機から丸まった状態で排出される点が特徴で、包装用のカプセルは使用しない“カプセルレス”のカプセルトイだ。
丸まった状態の直径は約74ミリ、広がった状態の全長は約140ミリで、カラーは黒、青、白の3種。価格は500円(税込)で、8月第5週から販売する予定だ。
裏返すと足がびっしり生えているリアルさだが、Twitterでは「虫は嫌いだけど、これは欲しい」「かわいい」「イタズラするために、5個買おうかな」――など、発売を待ちきれないユーザーの投稿が殺到。一時は「ダンゴムシ」がトレンド入りするなど、ネットを騒がせた。
「東京おもちゃショー」で開発担当者を直撃
玩具の新商品が集まる「東京おもちゃショー2018」(6月7〜10日、東京ビッグサイト)のバンダイブースで、「だんごむし」の開発を担ったベンダー事業部 アシスタントマネージャーの誉田恒之さんに反響の感想を聞くと、「ある程度は話題になると予測していたが、ここまで“バズる”とは思っていなかった。素直にうれしい」と手応えを語った。
「子どもの頃、本物のダンゴムシで遊んでいた15歳以上の男性に手に取ってほしい。リアルな構造を追求したので、学校やオフィスに持っていくと話題になること間違いなしだ。父親が子どもに買い与え、ダンゴムシの構造を説明するのにも使えるだろう」と誉田さんは自信を見せる。
「ザクヘッド」開発時にひらめいた
そんな誉田さんが“カプセルレスのダンゴムシ”というコンセプトをひらめいたのは、約2年前。同じくカプセルを使用しないガシャポン「機動戦士ガンダム EXCEED MODEL ZAKU HEAD(以下ザクヘッド)」の開発に携わっていた時だという。
「ガンダムファン向けの『ザクヘッド』とは異なる方向性の商品もあればいいなと思っていた。商品がそのまま排出される“カプセルレス”の特徴を生かせるものを模索していたところ、『ダンゴムシは丸くなるぞ!』と気づいた」(誉田さん)
だが、いざ開発を始めてみると課題も出てきた。特に苦戦したのは(1)丸めると内側のパーツが盛り上がるため、頭とお尻がくっつかず、きれいな球体にならないこと、(2)丸めると甲羅の間に大きな隙間ができてしまい、見栄えが悪くなること――の2点だ。
これらを解消するため、さまざまな大きさのパーツを作り、見栄えのよい球体になるまでトライアンドエラーを繰り返した。
「パーツを発注すると、届くまで3週間かかる。ああでもない、こうでもないと議論し、また設計図を作り直して発注する。これを繰り返してベストな組み合わせを発見するまでに、気付けば2年の月日が流れていた」と誉田さんは振り返る。
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