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あすか製薬、「バルサルタン錠」1300万錠を自主回収 発がん性物質混入:高血圧症治療剤
あすか製薬が高血圧症治療剤「バルサルタン錠 『AA』」を自主回収。発がん性物質が混入したため。現時点では健康被害の報告はないという。
あすか製薬は7月6日、高血圧症治療剤「バルサルタン錠 『AA』」4商品・計約1300万錠を自主回収すると発表した。中国の製造所で作られた原薬に、発がん性物質「N−ニトロソジメチルアミン」が混入したためという。すでに国内の病院や薬局計1300カ所に納入されており、「服用すれば重篤な症状が生じる危険性は否定できないが、現時点では健康被害の報告はない」(経営企画部)という。
回収の対象となるのは、2014〜16年に出荷された20・40・80・160ミリグラム入りの商品。あすか製薬に吸収合併され17年に解散した子会社「あすかActavis製薬」が販売していた。現在はあすか製薬が承継しており、納入した医療機関は全て把握しているという。
医療機関に文書で通知していく
同社は今後、医療機関に文書で通知して自主回収していく。服用者の発がんリスクの評価も進め、「服用者の方々に適切な対処がなされるよう、情報が得られ次第すみやかに情報提供する」としている。
回収費用の19年3月期業績への影響は軽微という。
混入の程度や原因は明らかになっておらず、現在も調査中。同じ製造所が作った「バルサルタン錠 『AA』」は欧州にも出回っており、今月から自主回収が始まっているという。あすか製薬も海外規制当局の指摘によって混入を把握したとしている。
あすか製薬は「高血圧の患者さんが、急に治療剤の服用を止めると危険。直ちに医療機関に相談し、適切な代替品を取得、服用してほしい」(同)としている。
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