世界の異常気象、仮想通貨のマイニングに影響か 「中国の大洪水だけのせいじゃない」:ハッシュレートが低下
世界の異常気象が仮想通貨マイナーを苦しめているようだ――7月8日、Financial Timesが報じた。中国四川省で起きた大洪水や、ヨーロッパの熱波などがマイニングのハッシュレート(採掘速度)を低下させたという。
世界の異常気象が仮想通貨マイナーを苦しめているようだ――7月8日、Financial Timesが報じた。中国四川省で起きた大洪水や、ヨーロッパの熱波などがマイニングのハッシュレート(採掘速度)を低下させたという。
6月下旬に四川省の東北部や南部で大雨が続き、大洪水が起こった。多くのマイニングファームが浸水の被害に遭い、稼働停止を余儀なくされたという。
米Morgan Stanleyのアナリストはこの四川省での洪水が世界のマイニング活動の8〜10%に影響を与えたとし、「中国のマイナーは世界のビットコインやその他主要仮想通貨の50〜70%を生成していることを考えると、今回の件でマイニング業界の脆弱性が露呈しただろう」と、中国にマイニング産業が集中する危うさを指摘した。
このように、直近でビットコインのハッシュレートが低下した原因を四川省で起きた洪水のせいだとする見方が広がっているが、原因はそれだけではないという意見もある。
DApp(分散型アプリケーション)のアプリストアプラットフォームを運営するCentralityの共同創設者であるアーロン・マクドナルド氏は、いくつかの要因が重なったためと主張。「四川省での洪水に加え、1週間続いたヨーロッパでの熱波やマイナーの利益を損ねたビットコイン価格の低下が組み合わさったため、マイニングのハッシュレートが低下した」と推測する。
マイニングでは非常に複雑な演算を処理するため、莫大な電力を消費する。その結果、マイニングファームは電気代が安く、機械の冷却費代などを抑えられる場所に建設される傾向がある。
北京はマイニングにかかる莫大な電力に悩まされており、マイニングファームを閉鎖しようと画策しているようだ。仮想通貨データのプラットフォームを運営するDigiconomistは、ビットコインのマイニングで消費される電力量は米国の650万世帯の消費電力量に相当するという。
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