マンション住民全員で「お掃除ロボ」をシェア “ほしいけど高い”を解決:「床掃除ロボ」と「窓ふきロボ」
東京・品川区の賃貸マンションで、入居者全員で掃除用ロボットをシェアできる取り組みがスタートした。「あると便利だし使いたいけれど、価格が高い」との悩みを解決する狙い。
伊藤忠都市開発と宅配ボックス開発のフルタイムシステム(東京都千代田区)は6月25日から、今年3月に竣工した賃貸マンション「クレヴィアリグゼ品川シーサイド」(東京都品川区)で、入居者全員が2種類の掃除用ロボットをシェアできる取り組みを始めた。比較的高価だがニーズの高い機器を提供することで利便性を高める狙い。
入居者に貸し出しているのは、家庭用ロボットメーカーのエコバックスジャパン(新宿区)が展開する床掃除用ロボット「DEEBOT M88」(市場価格3万5000円前後)と窓ふき用ロボット「WINBOT850」(同4万3000円前後)。
前者は自動で障害物を避けながらごみを吸引するロボットで、水ふき用のモップも搭載する。後者はガラスに吸着し、センサーを活用して汚れをふき取るロボットだ。
マンション内の宅配ボックス3カ所(全23カ所)内に保管しており、入居者は時間を問わず使用・返却できる。各住戸の非接触キーと連動して利用状況を管理する仕組みを取り入れたため、空き状況はスマホで確認できる。情報はリアルタイムで更新されるため、管理担当者などは設けていない。
伊藤忠都市開発は「シェアリングエコノミーの考え方が広がり、『買うには負担が大きいもの』『使う時が限られるもの』を共有するニーズが高まっていることを踏まえた」と施策の背景を説明する。
「都心の単身者向き賃貸マンション入居者は収納が少ない点にも着目した。家計節約や収納効率向上につなげ、マンションの付加価値を高める狙いもある」という。
今後は利用状況や傾向、入居者の意見などを踏まえ、シェアする機器の変更や拡充を検討する。他の物件に展開する計画もあるという。
関連記事
- なぜ伊藤忠は18年ぶりに「独身寮」を復活させたのか
伊藤忠が18年ぶりに「独身寮」を復活させた。業績低迷を受けて、2000年に社有の寮を売却したのに、なぜこのタイミングで建てたのか。建物は7階建てで、部屋は361室。国内最大級の寮のナカはどうなっているのかというと……。 - 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。 - 家事代行サービスを使ってみた
ここ数年で一気に普及してきた「家事代行サービス」を導入してみた麹町OLの末路は――。各サービスの比較もしてみた。 - “コードからの解放”――ダイソン、60分動くコードレス掃除機「V10」発売
ダイソンが、新型コードレス掃除機「Dyson Cyclone V10」を発表。小型・軽量かつ高性能のモーターを採用し、操作性と吸引力を高めた点が特徴。バッテリーの持続時間も60分に伸びた。 - 窓掃除ロボット 「一戸建てに住む高年収世帯」がターゲット
セールス・オンデマンドは窓掃除ロボット「ウインドウメイト RTシリーズ」2月22日から販売すると発表。一般家庭を対象に年間3万台の販売を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.