連載
“リーマンショック解雇”を機にフレンチの道へ 元外資金融マンが描く「第3の人生」:連載 熱きシニアたちの「転機」(5/5 ページ)
定年後を見据えて「攻めの50代」をどう生きるのか。新天地を求めてキャリアチェンジした「熱きシニアたち」の転機(ターニングポイント)に迫る。2回目はリーマンショックで「クビ」を告げられ、一念発起してビストロを開業した元外資金融マンの両角太郎さん(54)。
「60歳で閉店」 その先に描く「第3の人生」
実はすでに「サードキャリア」の青写真も描いている。「年をとってから、人を使って今のような30坪、40数席もある店を運営していくのはつらい。この店を続けるのは60歳までかなと考えている。その後は、近くで、夫婦で小さな料理屋をやる計画です」と話す。店名も決まっている。「西麻布飽食亭」だ。「料理は僕が作る。腕には自信があります。僕の作るものでも食いたかったら勝手に来い、という超“上から目線”の店にしますよ」と笑う。
超エリート金融マンという輝かしい経歴は遠い過去のものとなったが、両角さんの人生は今が一番輝きを放っている。
著者プロフィール
猪瀬聖(いのせ ひじり)
慶應義塾大学卒。米コロンビア大学大学院(ジャーナリズムスクール)修士課程修了。日本経済新聞生活情報部記者、同ロサンゼルス支局長などを経て、独立。日経では、食の安全、暮らし、働き方、ライフスタイル、米国の社会問題を中心に幅広く取材。現在は、主に食の安全やライフスタイル、米国の社会問題などを取材し、雑誌などに連載。また、日本人の働き方の再構築をテーマに若手経営者への取材を続け、日経新聞電子版などに連載している。著書に『アメリカ人はなぜ肥るのか』(日経プレミアシリーズ、韓国語版も出版)、『仕事ができる人はなぜワインにはまるのか』(幻冬舎新書)。日本ソムリエ協会認定シニアワインエキスパート。
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