2015年7月27日以前の記事
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全自動でごみを片付けてくれるテーブルも 中国のスゴい“未来のコンビニ”、そのリアル山谷剛史のミライチャイナ(2/4 ページ)

中国で「無人コンビニ」などの実験店舗が続々と現れた。「未来のお店」などと華々しく取り上げられるが、その実際はどうなのか。現地のIT事情に詳しい山谷氏が実際に店舗を訪れて利用してみた結果は……。

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改善も進んでいるが……

 こうした問題を受け、最近の無人コンビニは、これらをある程度解決したシステムになっている。

 まず、入口と出口を別々に設ける店舗が増えた。これによって、不正な方法で入店・退店するのをある程度防ぐことができる。また、商品に専用のタグを貼らない店も出てきた。この場合、出口の決まったところに商品を置くだけでカメラが判別し、値段を計算し、それを電子決済で支払うという仕組みだ。

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入口と出口を別々にした無人コンビニ「微熊」(鄭州)。駐車場にあり通行人からも気づきにくい

 また、中国トップのメッセンジャーアプリ「微信(WeChat)」に加わった新機能「微信小程序」(ミニプログラム)を採用することで、専用アプリのインストールが省けるようになった。これはWeChatをアプリのオープンプラットフォームにしたもので、こうしたアプリは容量の上限が決まっているためインストールがすぐにできる。かつ、微信のアカウントをひも付けておけば、店舗の利用に必要な個人情報入力の手間も省けるというわけだ。

 無人店を利用する際のプロセスがより短くなるわけだが、それでもすぐに入れるわけではない。また、業界視点から見ると、WeChatを使うタイプではWeChat内で完結してしまうため、アリババ陣営のアントフィナンシャルが展開する「支付宝(Alipay)」は蚊帳の外となり、ニューリテールに先鞭を付けて普及を進めるアリババとしては面白くないわけだ。

自販機だけの無人店舗も

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店舗スペースに自販機を入れ無人店に(鄭州)

 店を密閉空間にしてアプリで出入りさせようとするから大変になるという面もある。ならばということで出てきたのが、自動販売機を並べた無人店舗や、スマホアプリからでも決済できるスーパーやコンビニだ。

 自販機だけの無人店舗は、いうなれば日本の地方のドライブイン型の店や、都会にある飲料自販機だけの店舗と変わらない。QRコードが表示される自販機が何台も並んでおり、QRコードを専用アプリからスキャンして注文する。

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店の専用アプリで自販機から購入する(U-MI YOUKU)

 例によって微信小程序から専用ミニアプリを起動して注文するが、正直なところ、自販機で商品ボタンを押してアリペイなり微信支付(ウィーチャットペイ)なりで払ったほうがスピーディーに購入できる(少々話は脱線するが、アリペイとウィーチャットペイを比べると、アリペイのほうが決済までのステップ数が少ないので手間がかからず喜ばれるという話もある)。

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