韓国人が仮想通貨にハマる3つの理由:自分は人とは違う……
仮想通貨市場は昨年2017年に一気に盛り上がりをみせたが、17年末時点の取引の3分の1は韓国勢によるものだったという。
仮想通貨市場は2017年に一気に盛り上がりをみせたが、17年末時点の取引の3分の1は韓国勢によるものだったという。そんな韓国では特にビットコインの人気が高く、価格が他国と比べ高値に設定される傾向がある。いわゆる「キムチ・プレミアム」と呼ばれる韓国独特の価格設定だ。
ビットコイン以外の主要仮想通貨の人気も高く、昨年12月のイーサリアム取引の17%を韓国勢が占めていた。なぜ韓国では仮想通貨取引に人気が集まっているのか。INVESTOPEDIAが報じたところによれば、大きく分けて3つの理由があるようだ。
1.韓国国内の不安定な経済状況
韓国では若者の失業率の高さが深刻な問題となっており、昨年の失業率は9.8%まで上昇。若者を雇用する中小企業に対し、韓国政府がインセンティブを与えるプログラムを発表するほどだった。
さらに、階層的な社会構造や生活費の高騰などの問題も悪化の一途をたどっているという。
「このような状況にさらされている韓国の若者にとって仮想通貨投資は一攫千金の利を得るまたとない機会のように見える」と、米メディアのThe Vergeは分析する。
また、「仮想通貨に投資することが教育水準の高い集団の中でも『自分は人とは違う』と区別するための手段になっている」と、同質的な社会の中に埋もれたくない韓国人の心理が反映されている点を指摘した。
2.最新技術に精通
韓国はマイクロペイメント(少額の電子決済)などの最新技術を早期に導入した国であり、社会ネットワークからビデオゲームまで多岐にわたるサービスや商品に技術を応用することにも長けている。
韓国のインターネットの速度は世界一とも言われ、モバイル決済システムを促進する環境が整っていることなどから、仮想通貨取引が盛んに行われるようになったと推察される。
3.政情不安
3つ目の理由は政情不安だ。韓国の隣国である北朝鮮では核開発を巡る問題で政治的緊張が高まっている。
ソウル大学で心理学の教授を務めるカク・クムジュ氏は「ビットコインの無国籍な立ち位置は北朝鮮の緊張の高まりを問題視する韓国投資家には魅力的に映る」とした。
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