ガツガツしなくても、売り上げが劇的に伸びるトーク術:心理カウンセラーが分析(6/6 ページ)
営業では「売ろうとしないことが大事」と言われている。周囲にも売ろうとしていないのに優秀な営業マンがいるかもしれないが、なぜ彼ら・彼女らはガツガツしていないのに売れているのか。心理カウンセラーが分析したところ……。
「売ろう」「売りたい」という気持ちは邪念
課題を抱えているのも、解決したい、克服したいと思っているのもお客さんだ。営業マンはその手助けをする。そのために、信頼できる相手になる。そういう構図で営業活動全体を捉え直すと、信頼される人になる重要性がさらに理解できるのではないか。
相手が主役であるから、相手が満足するかが大事だ。課題を解決したいという相手の要望と、商品を売りたいという自分の欲求はマッチしない。そう考えると、「売ろう」「売りたい」という気持ちは営業活動においては邪念とも言える。
相手の信頼を得るためには時間がかかる。そして、「売ろう」から「信頼されよう」への意識転換も一朝一夕とはいかない時間のかかることだろう。
ただ、焦ってはいけない。日々、お客と接している時間こそ、「売ろう」から「信頼されよう」への意識転換ができる最高のトレーニング機会として取り組むことだ。「売ろう」とする意識を手放すことで、結果として相手の信頼を得られるようになり、いつの間にか営業成績も成約率も劇的によくなっていくはずだ。
著者プロフィール:中島輝(なかしま・てる)
心理カウンセラー
小学4年生のころから双極性障害などの心の病に苦しみ、25歳で実家の借金を背負い込んだことからパニック障害と過呼吸の発作が悪化。その後10年にわたって引きこもるも、その中で独学で心理学やセラピーを習得し自らに実践して35歳で克服。
その後、心理カウンセラーとして現在まで1万人を超えるクライアントに心理カウンセリングを行い、その95%が回復している。現在は、ナチュラル心理学メソッドを使った「自己肯定感を高めるレッスン」、感情の扱い方・心の持ち方・視点の変え方を教える「輝塾」を開催。
主な著書に『負の感情を捨てる方法』(朝日新聞出版)、『堂々と逃げる技術』(学研プラス)などがある。公式Webサイト:旅をする木
関連記事
- なぜ「スーツみたいな作業着」をつくって、しかも売れているのか
スーツのような作業着「WORK WEAR SUIT(ワークウェアスーツ)」が売れている。製造しているのはアパレルメーカーでもなく、作業着メーカーでもない。水道工事などを行っている会社がつくったわけだが、なぜこのような商品を開発したのか。その狙いを聞いたところ……。 - 信頼関係を築くにはどうすればいいのか 「聞き方」のテクニック3選
「商品を売る前に自分を売れ」――。このフレーズを聞いたことがあるかと思うが、どのようにしたら自分を売り込むことができるのか。大切なことは、信頼関係を築くこと。お客さんから信頼を得るために、どのようにすればいいのかというと……。 - サラリーマンが5分でできる、簡単な服装チェック術
「大事な商談があるのに、どんな服装にすればいいのかよく分からない」「いつもと同じスーツで」といった人も多いのでは。身だしなみに自信を持てない人はどのようにすればいいのか。スタイルアドバイザーのたかぎ・こういち氏が、たった5分でできるチェック術を紹介する。 - スゴ腕営業マンが実践する、「振り子の法則」とは何か
モノやサービスが溢れているので、「何を選んでいいのか分からない」といった人も多いのでは。そうした消費者が多いなかで、営業の担当者はどのように売り込んでいけばいいのか。「快」と「不快」の感情を揺さぶることで……。 - 売れない営業マンが知るべき、2つのフレームワーク
精一杯がんばっているのに営業成果がなかなか上がらない――。ついついこんな言葉を口にしたことがある人も多いのでは。仕事をしていると、なぜこのような不満が出てくるのか。その理由は……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.