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次のクルマは「自動運転」になるのか?:池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/4 ページ)
「自動運転車っていつごろ商品化されるんですか?」という質問をよく受ける。これにスカッと答えるのはなかなか難しい。条件分岐がいっぱいあるのだ。今回は自動運転の現実的な話をしよう。
西暦2025年
さて最初の設問に戻ろう。冒頭に書いたように社会的な実現性は分からない。基本は技術的な話だと理解して聞いていただきたいが、恐らく2年後までに各メーカーから、自動車専用道路での自動運転が順次デビューするだろう。これに関しては社会システム側もそれほど遅れずに追従すると思われる。
その間にコネクティッドカーの母数を増やしつつ、徐々に適応範囲を広げていく。条件付きであれば、25年ごろまでに一般道での自動運転がスタートする可能性はある。実力のほどは定かではないが、現にアウディは既にA8をデビューさせた。多分熟成は足りないと想像するが、25年までには、後発組みから合格ラインの自動運転車は出てくるだろう。
ただし、それが価格的にこなれて普及するまでをゴールとするならば、そこからまた最短5年は必要なのではないだろうか?
筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)
1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。
現在は編集プロダクション、グラニテを設立し、自動車評論家沢村慎太朗と森慶太による自動車メールマガジン「モータージャーナル」を運営中。
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