ガチャ切りされない電話術、勝負は最初の15秒:沈黙を不安に感じてはいけない(1/4 ページ)
「仕事で電話をするのは苦手」という人も多いのでは。では“ガチャ切り”されないためには、どうすればいいのだろうか。勝負は最初の15秒であって……
応援される営業術:
会社で応援される人に、どのような傾向があるのか。信頼、誠実、謙虚など、さまざまな言葉が浮かんでくるが、やはり一生懸命仕事をする人は応援されやすい。そして、絶対に欠かせないのが「結果」である。
例えば、「営業の成績が伸び悩んでいる」人は、どのようにすれば売り上げを伸ばすことができるのか。結果を残すためには、何をすればいいのか。本特集「応援される営業術」では、営業経験者ではなく、さまざまな業界で活躍している人にアドバイスをいただく。
どうすればピンチを脱出できるのか、どうすれば成長できるのか、どうすれば未来を描けるのか。課題を克服するヒントをつかんでいただければ幸いだ。
取引先に電話をするとき、新規先にアポの電話を入れるとき、緊張しませんか? 電話はうまく使えば、単なる連絡だけではなく、関係を作り、距離を縮めることのできるツールになります。ただし、対面のときとは違い、笑顔、所作、服装、スライド、配布資料に頼ることはできません。声だけでどうやって「一発勝負の営業プレゼン」を成功させることができるのでしょうか。
伝わる音にこだわった言葉選び
電話を苦手としている人は、相手の顔が見えないがために、へりくだり過ぎるか、言いたいことを全部言おうとするかの二極化する傾向があるように見えます。
よくあるのが相手に血眼、必死感を与えてしまうこと。相手に与える印象をよくしたいだけなのに、なぜそうなるのでしょうか。臨床心理学者アルバート・メラビアンが行ったコミュニケーション実験で、人が判断するときの材料は、視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語が7%であることが分かってきました。
電話では視覚情報に頼ることができません。そのため、残りの45%で好印象を与えようと、必要以上に明るい声や愛想笑いをしたことはありませんか。もしくはプレゼン途中に断られるのが怖くて、早口になったことはありませんか。電話の相手も聴覚情報と言語の45%でこちらを判断するわけですから、一般的に営業マンに大事とされる「明るさ」や「かわいげ」といった情報があっては、あなたの言葉に集中できませんし、早口で言葉数が多すぎるのでは処理ができません。極力感情に訴えず端的に分かりやすく用件を伝えるほうが、むしろ受け手に誠実なのです。
電話は相手の時間を奪う行為でもありますから、相手の時間をリスペクトし、目的を明確に、簡潔に、客観的に伝えることに集中しましょう。
また、言葉選びも大切です。対面であれば提案書の図や活字で印象付けできますが、電話の相手の目の前にはあなたの言葉と関係のない景色が広がっています。図や文字などの視覚情報に頼らない言葉選びが必要です。このときに重要なのが言葉の「音」です。例えば「可視化(カシカ)」ではなく、「見えるようにする」というように、聞き逃しがなく、平易ではっきりとした表現が誠実です。滑舌や声質、声量、スピードに留意しつつ、音にこだわって言葉を研ぎましょう。
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