モスバーガー、9月以降は食中毒被害なしも感染経路は「いまだ不明」:「野菜をもう一重覆う」など防止策強化
モスフードサービスが、食中毒事件の経過と再発防止策を改めて発表。9月中旬以降は顧客からの新たな体調不良の申し出はないという。野菜の運搬方法や社内研修のカリキュラムを変更し、再発防止を図っていく。
ハンバーガーチェーン「モスバーガー」を運営するモスフードサービスは10月3日、関東甲信地域の店舗を利用した顧客が腸管出血性大腸菌「O121」に相次いで感染した問題を踏まえ、その後の経過と再発防止策を改めて発表した。
この問題では、8月10〜23日に計19店舗を利用した計28人が「O121」に感染。アリオ上田店(長野県上田市)と茅野沖田店(長野県茅野市)の2店舗が、保健所から3日間の営業停止処分が課されていた。
同社によると、関係自治体と並行して調査を行ったものの、現在も食中毒の感染源と感染経路は特定できていないという。ただ、茅野沖田店に対する営業停止処分が9月18日に終了して以降、顧客からの新たな体調不良の申し出はないとしている。
再発防止策は、9月14日の時点では(1)生鮮野菜に対する有効性の高い洗浄・除菌方法の導入、(2)パティ(肉)、加工野菜、生鮮野菜の検査項目への「O121」の追加――の2項目を発表していたが、さらなる施策を追加。
加工野菜に対しては(3)加工野菜を運ぶ際、もう一重のビニール袋で覆う、(4)包装・保管・流通の各工程で温度管理を強化する、(5)殺菌剤の濃度測定法を色判定からデジタル判定に変更する――などの対策を行っていく。
生鮮野菜に対しては(6)洗浄前の野菜を、店舗内の「衛生管理が必要」と規定されているエリアに持ち込む際の制限を強化する、(7)店舗内での洗浄マニュアルの正しい運用を徹底する――などの対策を講じていく。
一連の対策を各店舗に周知徹底するため、同社は9月25日から店長資格者向け研修プログラムの内容を変更済み。10月5日からはeラーニングを活用した学習を取り入れる予定で、10月中にも衛生指導員による指導・確認を始めるとしている。
社内に「衛生管理安全対策プロジェクト」を設け、外部有識者の意見を取り入れつつ、さらなる安全対策を行う計画もあるという。同プロジェクトでは、サプライチェーンと店舗オペレーションをそれぞれ強化する2つのチームを設け、安全対策を策定していく方針だ。
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