「マジョリティーへの偽装をしなくてもいい社会を」 LGBT問題に勝間和代さんが訴える:「先進企業」を表彰(2/2 ページ)
LGBT問題に取り組む企業を表彰するイベントが都内で開かれ、同性との交際をカミングアウトした経済評論家の勝間和代さんや、ゲイであることを公表した国文学研究資料館長のロバート・キャンベルさんがメッセージを寄せた。
NTT、野村、シスコシステムズの経営陣登壇
イベントではLGBT関連の施策に取り組む企業経営者によるパネルディスカッションも実施され、シスコシステムズ及川芳雄専務執行役員、日本電信電話(NTT)坂本英一取締役、野村ホールディングス池田肇執行役員、東京五輪を準備・運営する東京2020組織委員会吉村美貴子人事部長が登壇し、取り組み内容を発表した。
連結で日本国内に18万人、海外に12万人の従業員が働くNTTでは、「グローバル化する中、新しいビジネスをする上でダイバーシティーとインクルージョンを経営の大きな柱に掲げている」(NTT坂本取締役)という。
LGBT関連では2018年4月から、「異性における配偶者」という概念を、同性のパートナーにまで広げるという改革を実施した。いわゆる配偶者手当、住居の補助などを異性の配偶者の場合と同じにするという変革だが、「パートナーの登録をする人は一定数いたが、実際に制度として申請をするのは登録した人の半分ほど」で、「制度を整えても声を上げてもらう環境や風土づくりはまだまだこれから」だという。
JT、富士通などを表彰
また、イベントの主催者であるwork with Prideは、LGBTに関して特に優れた取り組みをする企業を「ベストプラクティス」として発表。富士通、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、日本たばこ産業(JT)、日本トランスオーシャン航空、ラッシュジャパン、日本アイ・ビー・エム、アクセンチュア、ストライプインターナショナル、楽天、日の丸交通の10企業・団体が受賞した。
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