ニュース
2カ月、5万円で会社設立! 「社会保険料の節約」に悪戦苦闘した元公務員の“生存戦略”:元国税局職員が明かす「サバイバル術」(6/6 ページ)
3年間迷った挙句、家族の反対を押し切って公務員を辞め、フリーライターになった筆者。意外にも収入水準は前職並みに近づきつつあった一方、難題にぶつかった。それは「国民健康保険」の支払い――。会社員と違って重い負担を要する保険料を節約するために動き出したのだが……。
「家族持ちフリー」のお財布事情
最後に、そもそも私がなぜここまでして社会保険料を下げたいと思ったかをお伝えしたい。おそらくフリーランスの方の中には、「税金や保険料を節約するよりも、本業で稼ぐ方に力を入れるべきだ」と考える人も少なくないだろう。私も基本的には同意する。
ただ、私のように家族をもつフリーランスは、仕事をしたくともできない状況になる可能性が少なくない。私の場合、昨年末から2カ月間、妻が入院するという初めての経験をした。この期間は妻の見舞いのほか、子どもたちの世話をするために仕事をかなりセーブせざるを得なかった。当然、収入も落ちた。
以前のように公務員であれば、こうしたときに有給休暇などを使えただろうが、今は違う。自分自身はもちろん、家族であっても何か問題があればその期間を耐えられるだけのお金を準備しておかなくてはならない。そのためには、まず不要な出費を減らしキャッシュフローを改善する意識が必要だと考える。
フリーランスの生活は紛れもなく自由だ。その生き方は自分に合っていると感じる。だが、その自由はお金がなければ簡単に崩れてしまう。仕事をすべきときに仕事をし、家族と過ごすべきときに不安なく過ごせるよう、できることはしておきたい――。それが、私が会社を作った最大の理由である。
関連記事
- 35歳でフリーライターになった元公務員が踏んだ「修羅場」
公務員の安定を捨てて独立する――。希望の道に進むのは素晴らしいことではあるものの、そのプロセスは決してバラ色ではない。独立を切り出したとき、妻や母、職場の上司など、「周囲」はどう反応したか。35歳で公務員を辞めてフリーライターになった小林義崇さんに、当時の苦悩を振り返ってもらった。 - 詐術、脅迫、暴力、洗脳 「辞めたくても辞めさせないブラック企業」急増の真相
「会社を辞めたいのに辞めさせてくれない」という人の相談が増えている。厚生労働省の調査では、会社に辞めたいと伝えても辞めさせてくれない「自己都合退職」の相談が2番目に多く、3万8945件(相談件数の12.8%)もあった。「退職トラブル」の実態とブラック企業への対策を探る。 - ドラゴンボールの生みの親 『ジャンプ』伝説の編集長が語る「嫌いな仕事で結果を出す方法」
『ドラゴンボール』の作者・鳥山明を発掘したのは『週刊少年ジャンプ』の元編集長・鳥嶋和彦さんだ。『ドラゴンクエスト』の堀井雄二さんをライターからゲームの世界に送り出すなど、「伝説」を残してきた鳥嶋さんだが、入社当時は漫画を一切読んだことがなく『ジャンプ』も大嫌いだった。自分のやりたくない仕事で、いかにして結果を出してきたのか。 - 『ジャンプ』伝説の編集長は『ドラゴンボール』をいかにして生み出したのか
『ドラゴンボール』の作者・鳥山明を発掘したのは『週刊少年ジャンプ』の元編集長である鳥嶋和彦さんだ。『ドラゴンクエスト』の堀井雄二さんをライターからゲームの世界に送り出すなど、漫画界で“伝説の編集者”と呼ばれる鳥嶋さん。今回は『ドラゴンボール』がいかにして生まれたのかをお届けする。 - お金なし、知名度なし、人気生物なし 三重苦の弱小水族館に大行列ができるワケ
休日には入場待ちの行列ができ、入館者数の前年比増を毎月達成している水族館が、人口8万人ほどの愛知県蒲郡市にある。その秘密に迫った。 - 「単純労働」は淘汰されない 「AIで仕事がなくなる」論のウソ
「今後15年で今ある仕事の49%がAIによって消滅する」。野村総合研究所は2015年に衝撃的なレポートを出した。それから3年たった今、実際に起こっているのは「人手不足」である。AIによって私たちの働き方はどのように変わるのか。気鋭の雇用ジャーナリストが解き明かす。 - 「最近の若い奴は」と言う管理職は仕事をしていない――『ジャンプ』伝説の編集長が考える組織論
『ドラゴンボール』の作者・鳥山明を発掘したのは『週刊少年ジャンプ』の元編集長である鳥嶋和彦さんだ。漫画界で“伝説の編集者”と呼ばれる鳥嶋さん。今回は白泉社の社長としていかなる人材育成をしてきたのかを聞き、鳥嶋さんの組織論に迫った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.