赤字転落のRIZAP、売り注文殺到で値が付かず グループ9社も軒並み下落:株価に大ダメージ
前日に赤字転落を発表したRIZAPグループの株価が下落。売り注文が殺到し、午前の取引を終えた時点で値が付かない状況。グループ9社の株価も軒並み下落している。
11月15日の株式市場で、2019年3月期の通期連結業績が赤字に転落する見込みのRIZAPグループ(札証アンビシャス)に売り注文が殺到。午前の取引を終えた時点で、ストップ安(値幅制限の下限)水準となる前日比80円安(−18.8%)の345円売り気配となっているが、売買は成立しなかった。
M&A(買収・合併)を積極的に進めてきた同社の方針があだとなり、多くの子会社で赤字幅が拡大したことが響いた。立て直しに向け、今後は新規のM&Aを凍結するほか、既存のグループ会社の合併・売却・事業撤退なども検討する方針だ。
グループ9社も軒並み下落
RIZAPの方針転換を踏まえ、株式市場では上場グループ企業の先行きを警戒した売りも相次いでいる。
衣料小売りのジーンズメイト(東証1部)は前日比97円安(−17.6%)となる453円、婦人向け下着販売のMRKホールディングス(東証2部)は前日比円54安(−25.5%)の158円、衣料小売りの堀田丸正(東証2部)は前日比23円安(−21.7%)の83円まで下げ、いずれも年初来安値を更新した。
女性向け衣料小売りの夢展望(東証マザーズ)は前日比96円安(−19.2%)の405円、フリーペーパー制作のぱど(東証JASDAQグロース)は前日比63円安(−19.7%)の257円、雑貨小売りのHAPiNS(東証JASDAQスタンダード)は前日比52円安(−19.4%)の216円、CD・DVD・書籍販売店運営のワンダーコーポレーション(東証JASDAQスタンダード)は前日比146円安(−20.7%)の561円まで下げ、いずれも年初来安値を更新した。
アミューズメント施設運営のSDエンターテイメント(東証JASDAQスタンダード)、雑貨小売りのイデアインターナショナル(東証JASDAQグロース)は、売りが殺到して売買が成立していない状況。いずれもストップ安水準で推移し、前者は前日比円150円安(−21.3%)の555円、後者は前日比円150円安(−16.1%)の782円で売り気配となっている。
関連記事
- 経営陣と松本氏は「健全な対立関係」にある――RIZAP両トップ、赤字転落の裏側語る
RIZAPグループの上半期の連結決算が赤字転落。通期業績予想も赤字を見込む。会見では瀬戸健社長・松本晃代表取締役が登壇し、その裏側を語った。経営陣と松本氏は「健全な対立関係」にあるという。 - RIZAPが赤字転落、急ピッチのM&Aがあだに 瀬戸社長「見通し甘かった」
RIZAPグループの上半期の連結決算が赤字転落。通期業績予想も赤字を見込む。記者会見では瀬戸健社長が登壇し「見通しが甘かった」と謝罪した。 - 「経営のカリスマ」カルビー松本会長に聞く、RIZAPにコミットする理由
日本を代表する経営者として知られる、カルビー会長 兼 CEO の松本晃氏。松本氏はなぜ、カルビーを去り、RIZAPグループに入ることを決めたのか。インタビューで経緯と今後の展望を聞いた。 - 社員の働き方を変える実にシンプルな方法 カルビー・松本会長
「プロ経営者」として日本を代表するカルビーの松本晃会長兼CEO。今月末でカルビーの会長職を退任予定の松本氏に、同社での9年間を振り返ってもらうとともに、注力した働き方改革についてインタビューした。 - 残業手当はすぐになくしたほうがいい カルビー・松本会長
日本を代表する「プロ経営者」として、さまざまな経営改革を推進してきたカルビーの松本晃会長兼CEO。働き方改革にまつわる日本企業の問題点について、真っ先に「残業手当」を挙げる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.