午後7時閉店でも店長年収1000万円超え! 愛知県「地元密着スーパー」絶好調の秘密:折り込みチラシなし! ポイントカードなし!(5/5 ページ)
愛知県東三河地方だけに5店舗しか展開していない「絶好調」のスーパーがある。「社員第一主義」を掲げ午後7時には閉店しているのに、店長の年収は1000万円を超える。その秘密に迫った。
国内外の優秀な生産者との強固なつながり。「縁を徹底的に大事にすること」
なお、サンヨネのプライベートブランドは青果だけではない。酒や調味料、精肉、お菓子など、多様な食品分野に及んでいる。そのほとんど全てを担当しているのが社長の三浦さんだ。自ら選んだ生産者は、個人経営の農家から有力企業に至るまで国内外の600社に及ぶ。三浦さんはどのようにしてそのネットワークを築いたのだろうか。
「私も35年前に家業であるサンヨネに入社したときは何をどうすればいいのかまったく分かりませんでした。秘策はないのです。1つの縁を、時間をかけて徹底的に大事にするしかありません。お互いにハッピーになるように努力して、信頼してもらえたら、そのつながりで優秀な方を紹介してもらえることがあります」
三浦さんはオーナー社長だからこそ長期的な視点に立った経営ができる側面もあるだろう。しかし、長い目で見てみんなが幸せになる状況を実は誰もが願っていて、その実現のために自分の力を発揮したいと感じているのが現代ではないだろうか。それが社会という共同体で働くことの本来的な意義なのだから。
株主や金融機関、コンサル会社、経営陣などの一部だけが利益を貪る時代は終わった。いま、サンヨネのような「まっとうな経営」が強く求められている。
著者プロフィール
大宮冬洋(おおみや とうよう)
1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。自主企画のフリーペーパー『蒲郡偏愛地図』を年1回発行しつつ、8万人の人口が徐々に減っている黄昏の町での生活を満喫中。月に10日間ほどは門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験しつつ取材活動を行っている。個人のいまを美しいモノクロ写真と文章で保存する新サービス「ポートレート大宮」を東京・神楽坂で毎月実施中。著書に、『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる〜晩婚時代の幸せのつかみ方〜』(講談社+α新書)などがある。 公式ホームページ https://omiyatoyo.com
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