回転すしの廃棄率は? くら寿司が「3%」に抑えられるワケ:驚異の需要予測システム(2/6 ページ)
大手回転すしチェーンではたくさんのすしがレーン上を回転している。くら寿司では「廃棄率3%」を達成している。廃棄を減らす鍵である需要予想システムとは?
お客の満足度と廃棄率のジレンマ
回転すしチェーンは、レーン上の欠品とお客の満足度のバランスをどのようにとるのかという点に腐心してきた。テーブルに着席してすしを食べようとしたときに、レーン上に自分が食べたいものがないという事態は避けなければいけない。しかし、無計画にすしを流してしまえば、廃棄のリスクは高まってしまう。
くら寿司では科学的な管理を推進する前、レーン上に流すすしの種類や量を判断していたのは店長だった。例えば、多くのお客がメロンやアイスクリームを食べ終わった状態で、店の入口にほかのお客が並んでいたとする。そのタイミングで多くのすしをつくって流せば、新しいお客がテーブルについたときにはレーン上のすしが充実している状態になる。
それまで、店長は頻繁にテーブルの様子を見て回り、自分の勘と経験で投入するすしを判断していた。しかし、お店ごとにサービスの質がバラバラになるという課題もあった。
廃棄率を下げるメリット
そもそも、廃棄率を下げるメリットは何だろうか。
まず、すしは原価率が非常に高い商品だ。広報担当者によると原価率は50%近くあるという。他業界の原価率と比較すると、吉野家を運営する吉野家ホールディングスは35.1%(18年2月期)、日高屋を運営するハイディ日高は27.2%(18年2月期)なので、その高さが際立つ。廃棄率を低くすれば、利益率に寄与する割合が他業界より大きいのだ。
また、すしは鮮度が命の商品だ。廃棄率が低いということは、常に鮮度のいい商品がレーン上を流れることにつながるので、お客の満足度は高くなる。
このようにみると、回転すしチェーンが廃棄率を重視することが分かるだろう。
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