やはり元貴乃花親方は、“同じ穴のムジナ”だったのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)
元貴乃花親方が騒動に巻き込まれている。弟子だった元幕内・貴ノ岩が弟弟子に暴力をふるい、引退することに。この“事件”についてコメントを求められても、元親方は知らんぷり。こうした対応について、関係者からは非難の声が出ていて……。
たぶん何も変わらないだろう。日本相撲協会は12月19日に開いた理事会で、力士の暴力に対する処分基準を新たに定めて承認。番付に応じて内容が異なり、原則として横綱には引退勧告以上の厳罰を科すなど厳しい方針を打ち出した。
相撲界は元幕内・貴ノ岩が弟弟子に暴力をふるい、世間を「またかよ」と大きくあきれ返らせたばかり。しかも約1年前に元横綱・日馬富士に殴られて大ケガを負ったはずの被害者が今度は加害者になってしまった。まるでコントみたいな悪循環だ。
いくら厳罰を科す形を整えたつもりでも、根本的な解決策にはおそらくつながるまい。新たな処分基準を定めた協会幹部も八角理事長以下、お馴染みの顔ぶれだ。「伏間殿」と揶揄(やゆ)される独特の世界を牛耳る面々が今回の貴ノ岩の不祥事を受けても何の責任も負わず、ノホホンと居座っている。
元貴ノ岩の新たな師匠となったばかりの千賀ノ浦親方が監督責任を問われ、「けん責処分」となったことを鑑みても、納得できない人は多いのではないか。いずれにしても「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の格言通り、また同じような不祥事が繰り返されそうで怖い。
不祥事を引き起こした元貴ノ岩に、同情の余地はない。モンゴル人力士の大先輩・日馬富士から殴られ、頭部に生々しい縫い傷を負った写真が各メディアに出回ったときは、世の大半が気の毒に思ったことだろう。日馬富士はもちろん、暴力の場に同席していた横綱・白鵬と鶴竜ら同じモンゴル人力士勢も、「なぜ制止できなかったのか」「もしや加担していたのではないのか」などと激しいバッシングにさらされたのは、記憶に新しいところ。ところが、その悲劇の主人公は先輩力士から不本意ながら味わった苦い経験を、まったく自身の糧にできていなかった。
そう考えると、約1年前の暴力事件も、元日馬富士や白鵬、鶴竜らが、元貴ノ岩に普段の素行の悪さを注意したことが発端となったのかもしれない。どちらにしても暴力行為が問題であることに変わりはないが、少なくとも元日馬富士だけでなく元貴ノ岩にも力士としての品格が著しく欠如していたことは確かであろう。
つい最近まで善玉だったはずが、何かのきっかけで途端に悪役へと立場が急変する。本当に何を、そして誰を信用すればいいのか分からない。これは元貴乃花親方・花田光司氏に関しても、同じ構図が当てはまるような気がしている。
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