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戦略がなかなか決まらないのは、なぜか定義されていない(2/3 ページ)

案やアイデアはいくらでも出るのに、最終的に決まらない。優秀なメンバーが集まる部門やチームでよく起こることだが、何が問題なのだろう。

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戦略行動を急ぎすぎる管理職

 ハーバードビジネスレビューに掲載されたトーマス・ウェデルの論文によれば、「管理職たちは「行動を重視するあまり、問題を本当に理解しているか確かめることなく、解決策を即座に探そうとしがち」であるという。まさにもっともな指摘だ。管理職であっても上司がいて、常に「お前は何をやるんだ?」と行動を求められる。「お前のチームの本当の問題点は何なんだ?」と問う上司はめったにいない。どんな上司も「すぐやる」部下がかわいいのだ。

 もちろん何らかの解決策を出すことができるということは、なんとなくの課題感は持っている。先の例でいけば、「セールス活動でつまずくことが多い、スキル不足が顕著だ」「他社が○○の分野に攻勢をかけている、状況を打破しないとまずい」「顧客の規模がバラバラで、効果的なサービスのバリエーションが多すぎる」などといった漠然とした課題を持っているのかもしれない。

 しかし、このような課題が遡上に乗ってこないため、それぞれが共有できないし、何を解決するためなのかがあいまいなままだ。とるべきソリューションは明確で、大半の人が賛成しているにしても、その背景にある問題は人によって別のことだったりする。だから全員にそれぞれの優先順位があったりする。

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