7割が「ダイバーシティ」の意味を知らない エン・ジャパン調査:積極的に取り組んでいる企業は14%
転職支援のエン・ジャパンが行った調査によると、7割がダイバーシティの意味を知らなかった。意味を説明すると95%が重要だと回答したが、積極的に取り組んでいる企業は14%。その内容も、女性の採用・活躍支援が多かった。
女性やシニア、外国人、障害者、LGBTなど、多様な人材を積極的に活用しようという考え方を指す「ダイバーシティ」。しかし、転職支援サービスのエン・ジャパンが行った調査によると、7割がダイバーシティを知らないと答えた。
一方で、ダイバーシティの考え方を説明した上で、大事かどうかを尋ねたところ95%が大事だと答えた。理由として、「多様な視点を商品・サービス開発に生かすため」(57%)のほか、「優秀な人材の確保のため」(47%)などが挙がった。
大事だと考える人は多いが、職場での取り組みは限定的だ。「積極的に取り組んでいる」のは14%に留まり、その内容は「女性の採用・活躍支援」が最も多く51%、次いで「障害者の採用・活躍支援」が21%、「外国人の採用・活躍支援」が17%と続いた。
ダイバーシティ促進のために必要なことを聞いたところ、「ダイバーシティを受け入れる採用の促進」が57%と高く、次いで「トップのコミットメント」が47%、「ダバーシティを生かす公正な評価制度の充実」が39%と続いた。
ダイバーシティについては、「多様な視点により、企業のサービス・製品開発に良い影響が出ると思う(34歳女性)」という意見がある一方、「以前にLGBTの方を受け入れたが、同僚の理解は得られても、顧客の理解を得られないケースがあり、働く本人が大変そうだった」(39歳女性)や、「良い影響も多い半面、管理面や評価面でのトラブルは起こりそう。いきなりダイバーシティを推し進めるのではなく、中長期的な目線で慣れていったほうがいいと思う(40歳男性)」といった慎重なコメントも見られた。
本調査は、2018年11月29日から12月26日にかけて、「エン転職」の利用者1万2189人にインターネット上で行われた。
関連記事
- 6割の企業が「ダイバーシティ推進」をやっていない 理由は「評判気になる」「悪影響が心配」
エン・ジャパンの調査で、約6割の企業が「ダイバーシティ推進」を実施していないことが判明。「顧客からの評判気になる」「既存社員への悪影響が心配」などの声が挙がった。推進している企業は、従業員数が1000人以上の大企業やマスコミ関係に多かった。 - ダイバーシティへの取り組み 「LGBT」進まず
ダイバーシティ(多様性)への取り組みはどのようなものなのか。「積極的に取り組んでいる」と回答したのは19%――エン・ジャパン調べ。 - 職場のダイバーシティ、最も重視するのは20代女性
人材派遣のランスタッドがこのほどまとめた、勤務先のダイバーシティ(人材の多様性)推進についての調査結果によると、20代女性の54.5%が「勤務先がダイバーシティ推進に取り組むこと」を「大切と考える」と回答し、全体の39.1%を大きく上回った。 - 「LGBTの問題」はたくさんあるのに、なぜ対応が進まないのか
LGBTを取り巻く環境をみると、さまざまな問題がある。課題を解決しなければいけないのに、なぜ取り組みがなかなか進まないのか。LGBT問題に詳しいNPO法人「虹色ダイバーシティ」の村木真紀さんに話を聞いた。 - 職場で、LGBTのカミングアウトは4.3%
人口の8%がLGBTに該当するといわれているが、ストレート層で周囲にLGBTがいるという人はどのくらいいるのだろうか。ストレート層に聞いたところ、88.5%は「周囲にLGBTはいない」と答えていることが、LGBT総合研究所の調査で分かった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.