居酒屋「てけてけ」運営元、串カツ田中より先に禁煙化も失敗 挽回の一手は?:せんべろ業態(1/2 ページ)
“せんべろ”をコンセプトにした「やきとり魁(さきがけ)」がオープンした。喫煙者と非喫煙者が共存できる工夫をしている。喫煙歴18年の記者が店舗を訪問してみた。
鶏料理専門店の「てけてけ」を運営するユナイテッド&コレクティブは2018年11月、1000円でべろべろに酔える“せんべろ”をコンセプトにした「やきとり魁(さきがけ)」を東京都新宿区の歌舞伎町にオープンした。
やきとり魁の公式Webサイトには、ファストフード感覚でお酒と焼き鳥を楽しんでもらいたいという趣旨の記載がされている。コーヒーショップのように気軽にお酒を飲んで、ハンバーガーショップのように手軽に焼き鳥を食べてもらいたい。そして、お通しやサービス料もかからないので、毎日利用してほしいと訴えている。
この店舗の特徴は、フードコートのようにサービスを簡素化することで、従来の居酒屋より少ない従業員で運営できるようになっていることだ。そして、ユナイテッド&コレクティブは、この店舗である実験をしている。それは、全席禁煙としているが、喫煙者でも楽しめるようにある工夫をしていることだ。そこで、喫煙歴18年の記者が実際に店舗を訪問してみることにした。
お客は自分でトレイとお皿を返却する
「返却はこちら!」
店内に入ると目に飛び込んでくるのは、ファストフード店やコーヒーチェーン店でよく見るトレイ置き場だ。燃えるごみ・燃えないごみをそれぞれ捨てる穴もあり、食事を終えたお客はここにごみを捨てるようになっている。記者が来店した際、男性客がちょうどトレイを返しているところだった。
レジカウンターには3台のタブレットが設置されている。ここで焼き鳥やハイボールなどのメニューを選んで会計ボタンを押すようになっている。価格は「角ハイボール」が199円(税抜、以下同)、「大きいねぎま串1本」が99円、「のり塩フライドポテト」が250円などとなっている。
注文を終えると、店員が「698円です」と伝えてきた。飲み物はその場ですぐ渡されたが、フードメニューは出来上がってからお客が取りに来るスタイルになっている。番号が記載されている携帯受信機を渡されたので、料理が提供されるまでテーブルで待つことにした。
記者は19年1月中旬の平日午後8時に入店したのだが、店内には10人弱のお客がいた。半分以上がコートを脱がずに食事を楽しんでいる。よく見ると壁にはコートをひっかけるフックがついていない。椅子の下には荷物を置けるカゴがあるのだが、長居するつもりがないのだろう。
10分ほど経過したところで、携帯受信機がぶるぶると震えたので、料理を受け取って机に戻った。すると、箸や紙ナプキンがないことに気付いた。来店時に見落としていたのだが、返却台の裏に箸、スプーン、七味唐辛子、紙ナプキン、小袋に入ったからしが置いてあり、お客が自分でとるスタイルになっているのだ。
関連記事
- 「完全禁煙化」から3カ月で串カツ田中はどうなった? 客数と売り上げに驚きの変化
2018年6月1日からほぼ全店を全席禁煙化した串カツ田中の売り上げや客数にはどのような変化がでたのだろうか。従業員の受動喫煙を防止するとともに、ファミリー層の利用増を狙っていたが…… - レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - これは本当に恵方巻? 変わり種が続々登場しているワケ
恵方巻商戦が熱を帯びてきた。実は、スタンダードなタイプの恵方巻だけでなく、変わり種の恵方巻を販売するチェーンが増えている。各社に開発の狙いを聞いた。 - なんだこれは? 黄色いバーが並んだJR「新型ホーム柵」の正体
国交省や鉄道事業者はホームドアの整備を進めている。その一方で新型タイプの開発も進み、一部は実用化されている。知られざる新型ホームドアの世界とは。 - 「大阪王将」に後れを取っていた「餃子の王将」の業績が復活したワケ
「餃子の王将」を運営する王将フードサービスが復活しつつある。女性向けの新業態店や安価で量を減らしたメニュー開発が奏功したが、本質的な理由はほかにもあるという。どのような戦略を打ち出しているのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.