働く人が“楽”になるために、僕はこんなことをしてきた:通勤をなくす(6/6 ページ)
「毎朝、満員電車の中で揺られて、通勤するのがつらい」といった人も多いのでは。生産性を高めつつ、働く人が楽になるにはどうすればいいのか。働く場所に縛られない、ソニックガーデンの「リモートチーム」を紹介する。
ステップ(9)オンラインファーストで考える
今となっては、「バーチャルオフィスへの論理出社」と言わずに、もはや普通に「出社する」感覚となって、毎日出社して働いています。出社してあいさつして、同僚たちと一緒に働く──それが日常の風景になりました。雑談もしたり、会議や相談もするし、飲み会だってする。まるで、その世界に生きている感じがするのです。
これは、オンラインゲームをやったことのある人なら分かる感覚です。そう、ゲームの世界に入って、そこで会っている感覚に近い。ゲームなら集まって狩りや勝負をするところを、プログラミングしたりディスカッションしたりしているだけなのです。オンライン空間ありきで考える現象は、「オンラインファースト(オンラインを先に考える)」へのパラダイムシフトだと考えています。
この先、人手不足が加速していく中で、優秀な人材の確保は企業にとって生命線になります。今後は、場所や時間に縛られない多様な働き方をしている会社に人が集まってくるようになるでしょう。特に在宅勤務できるなら、全国各地にいる優秀な人材を採用できるようになります。
著者プロフィール:倉貫義人(くらぬき・よしひと)
大手SIerにて経験を積んだのち、社内ベンチャーを立ち上げる。2011年にMBOを行い、株式会社ソニックガーデンを設立。月額定額&成果契約で顧問サービスを提供する「納品のない受託開発」を展開。全社員リモートワーク、オフィスの撤廃、管理のない会社経営など新しい取り組みも行っている。著書に『管理ゼロで成果はあがる』『「納品」をなくせばうまくいく』など。倉貫義人のブログ
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