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380円の“高級”牛めしを推す松屋が320円の牛めしをあえて温存するワケ:都内でも残っている(2/3 ページ)
松屋は380円のプレミアム牛めしを推進している。320円の牛めしを販売する店舗は首都圏を中心に減りつつある。しかし、松屋は320円の牛めしを販売する店舗をあえて残している。なぜなのか。
なぜ320円の牛めしを温存するのか
他のチェーン店は一斉に値上げしたのに、なぜ松屋だけは値上げする前の牛めしを温存しているのだろうか。広報担当者によると、顧客から「320円の牛めしを残してほしい」という声が寄せられたため、試験的に販売店舗を残しているという。現時点では、テストマーケティングをしているところであり、顧客のニーズの変化や食数の推移を計測し、今後の展開に反映させる予定だ。松屋はエリアごとに販売する商品を変えている。例えば、関西の店舗ではきつねうどん(350円)や和風カルボナーラうどん(430円)を扱っている。
では、松屋がかつて大々的に販売していた豚めしはどうだろうか。吉野家とすき家は「豚丼」が現在でも通常メニューになっているが、松屋の公式Webサイトには「豚めし」の姿はない。しかし、都内の池袋サンシャイン通り店、池袋西口店、町田店の3店舗のみでひっそりと提供を続けている。この点について広報担当者に尋ねると「地域ごとの販売戦略もありますが、設備の問題もあります」と回答した。豚めしを提供するには、牛めし用の鍋とは別に豚めし用の鍋が必要となる。池袋西口店で豚めしを2階だけで提供していたのは、調理場のスペースの都合上、牛めし用と豚めし用の鍋を置く場所が確保できないからなのだ。
牛めしと豚めしはいつまで販売が続けられるのだろうか。松屋のテストマーケティングを注視していきたい。
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