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元国税局職員が明かす「確定申告」の注意点今ならまだ間に合う(3/5 ページ)

元東京国税局職員で、現在はフリーライターの筆者が「確定申告」の注意点を解説する。

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正しい確定申告の第一歩は書類の整理から

 ここからは、確定申告で間違いをしないために私が個人的に行ったことをお伝えしたい。私は昨年8月末に会社を設立したので、今回の確定申告は、個人事業主としての事業所得と、会社員としての給与所得を合算して申告するものだ。

 確定申告の準備のために最初に行ったのが「書類の整理」である。具体的には次の書類を区分けし、必要に応じて日付順などに並び替えた。

  • 取引内容を示す書類(請求書、領収書、契約書、預金の入出金明細など)
  • 法定調書(源泉徴収票、支払調書)
  • 所得控除関連(生命保険料控除証明書、社会保険料の証明書など)

 請求書など、モノによってはデータで管理していたが、私の場合、紙で整理をした方がスムーズと考え、必要なものは一通りプリントアウトした。こうして1年分の書類を紙で整理した後に行ったのが、「会計ソフトの入力内容の確認」である。

 私は普段の取引内容をクラウド会計ソフトで管理している。クラウド会計ソフトは、請求書の情報や、銀行口座・クレジットカードの情報を自動的に取り込んでくれるので非常に便利だ。もちろん、集計作業や確定申告書への転記も全てソフト上で行える。

 ただし、クラウド会計ソフトで管理されている取引内容の中には、ときおり間違いが生じる。これは私の入力ミスなど原因はさまざまだが、紙の情報と突き合わせると間違いを把握できるので、これを修正した。

 また、これはライター業ならではかもしれないが、記事を納品した取引先から、請求書を求められることなく、いきなり入金がなされる場合が少なくない。この場合、会計ソフト上では入金額が全て「売上」と仮で自動認識されるが、実際は「売上」から「源泉所得税額」を差し引かれた金額である。そのため、自動認識されたデータを修正しなくてはならない。

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会計ソフトの集計結果と支払調書を突き合わせることで、入力誤りを把握できるケースがある(国税庁のWebサイトより)

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