和食料理人が考案 「くらバーガー」を食べて分かった商品開発の狙い:ガリとわさびをお好みで(2/3 ページ)
くら寿司がハンバーガーを開発した。3月1日から発売する。実際に食べてみながら商品開発の狙いを聞いた。
フィッシュバーガーの味は?
次に、フィッシュバーガーを食べてみた。シンプルなハンバーガーだが、魚のクセが気になる人がいるかもしれないと感じた。パテの味を表現するならば、ややクセのあるさつまあげといったところか。この判断は人によって分かれるだろう。
フィッシュバーガーのパテには10種類以上の魚が使われているが、その配合は日々変わる。なぜなら、これまで有効活用できなかった魚の部位を活用するために生まれたのがフィッシュバーガーだからだ。開発にあたっては、味のブレを最小限にするため、スパイスや魚のブレンドに苦労したという。フィッシュバーガーのアレンジにはガリがおすすめだというので試してみたところ、魚のクセが気にならなくなった。
誰がくらバーガーを開発したのか
くら寿司はサイドメニューの開発を強化しており、今では60種類以上提供している。大手すしチェーンで商品開発をしているのはどのような経歴の持ち主なのだろうか。
広報担当者によると、和食、イタリアン、中華などで料理人として活躍した社員が商品開発を手掛けているという。ちなみに、くらバーガーを中心になって開発したのは、和食料理店で総料理長を務めた石澤謙一氏だ。石澤氏はくら寿司で提供している「石澤ドレッシング」の開発者でもある。
すしチェーンがハンバーガーを開発したことが大きく注目されているが、実はくら寿司では過去に「シャリカレーパン」を販売していたことがある。これは、カレーの具にシャリが入っているもので、現在は提供されていないが、お客からは好評だったという。この商品でくら寿司では「パンもいける」という感触をつかんでおり、それがくらバーガーの開発につながった。
今や、回転すしチェーンのライバルは同業他社だけではなくなった。くら寿司はメニューのラインアップにハンバーガーを加えたことで、ファストフードチェーン店を脅かす存在になるだろうか。今後の売れ行きに注目していきたい。
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