男女雇用機会均等法の「第1期生」 キリンで子会社社長に上り詰めた女性に学ぶ仕事術:パーフェクトウーマン 女性が拓く新時代(4/5 ページ)
完璧な人間はいない――。だが、仕事も私生活も充実させ、鮮やかにキャリアを築く「女性リーダー」は確実に増えてきた。企業社会の第一線で活躍する女性たちの素顔に迫り、「女性活躍」のリアルを探る。
女性にもチャンスを作ってあげることの大切さ
――お仕事のほうではビールの営業職でスタートしつつ、職種も担当商品もさまざまなことを経験されています。いわゆるゼネラリストのキャリアです。未知の分野でリーダーシップを取るときはどんなことに気を付けていますか。
やったことのない分野の部署や会社にリーダーとして異動すると最初はプレッシャーがあります。業務はメンバーのほうが熟練しているので、どんな風に関わっていったらいいのかが分からないからです。そのためにもリーダーとしての軸が大事だと思っています。
軸とは、自分なりのスタンスと考えを持っておくこと。本を読んだりして、実務の延長でないところで知識を蓄えておくことも軸を作るために必要です。軸を持ったうえで、基本的にはメンバーに仕事を任せます。任せられたほうがやる気になりますからね。
ただし、意見交換をしながら「普段と違うことをやってみよう」と提案することも忘れません。近畿圏統括本部で広報のリーダーをしていたときは試飲イベントをスポーツ新聞各社に取材してもらい、ラジオ中継も入れることを発案しました。全てのメディアの担当リーダーでもあったので、いわゆるメディアミックスを実現できたのです。
――最後に、「女性活躍」についてご意見を聞かせてください。
どんな業界でも「女の子扱い」は相変わらずあると思います。そういう人もいるな、ぐらいの気持ちで聞き流して、そのことばかりにこだわりすぎない方がいいと私は思います。一方では、しっかりと自分の意見をいえる女性も増えてきていますね。心強く感じています。
私は現在、キリンエコーの社長を務めています。75年以上の歴史の中で初めての女性トップです。でも、やってみたら何とかなるものです。
何事も「初めて」はあります。恐れずにやってみれば、次からは初めてではなくなるのです。女性にもチャンスとステージを作ってあげることが大事だと思っています。
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