マツダの決算 またもや下がった利益率の理由:池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/5 ページ)
売上高は増収だったが利益面の落ち込みが激しいマツダの決算。北米と中国市場の不振が響いた結果だ。今後に向けて、販売店改革とパワートレーンの刷新を進めるが、これが北米市場で実を結ぶかどうかが焦点となる。
次期決算に向けてのマツダの戦略
さて、話はようやく決算に戻る。足元経済がぐらついている中国ではあるが、長期的に見れば、今後も世界で一番クルマが売れるマーケットであることは間違いない。景気は必ず循環するので、ここは強風が吹き止むのを待てば海路の日和があるだろう。
問題は成長率が鈍化して、パイの奪い合いになっている北米マーケットでどう戦うかだ。マツダがブランド価値経営を北米で確立するためにやらなければならないことは大きく2つある。1つは販売店改革だ。
マツダの次世代ブランド店への刷新計画に対し、目標とする300店舗のうちすでに265店舗が次世代ブランドへの投資を決定しており、これに関しては順調な推移であることをマツダは強調している。
2つめはパワートレーンの刷新だ。この10年間、厳しくなるCO2規制への対応として、北米では多くのメーカーがダウンサイジングターボへのシフトを進めてきた。しかし19年の企業平均燃費規制(CAFE)が求める1キロメートル当たり130グラムを分岐点として、ダウンサイジングターボでは規制がクリアできないことがほぼはっきりしてきた。CO2排出量はほぼ燃費と比例するので、効率の良い低燃費システムなしには、それが達成できなくなりつつある。実際20年の95グラム規制をクリアするには、最低限マイルドハイブリッドを持たない限り不可能に近い。
マツダはそのアプローチを「SKYACTIV-X」と48ボルト・マイルドハイブリッドの合わせ技でクリアしようとしている。ちなみにSKYACTIV-Xは非常に複雑な技術なので、ここでは簡単にまとめられない。17年8月の過去記事を参照していただきたい。
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