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サンシャイン水族館をプロデュースした中村元が語る「弱点を武器に変える2つの方法」ショボいけど、勝てます。 竹島水族館のアットホーム経営論(6/6 ページ)

サンシャイン水族館を手掛けた水族館プロデューサー中村元が語る「弱点を武器に変える2つの方法」――。

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サンシャイン水族館のコンセプト『天空のオアシス』の象徴となった「天空のペンギン」。屋根が無い、少ない水量という屋上の水族館ならではの弱点を「進化への圧力」にして、青空を借景に、どこまでも広く明るい水塊展示を作った。炎天下でも涼しく、雨も風もしのげる他の水族館にはまねのできない展示空間だ(以下、中村元さん提供)
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天空のペンギンの水槽になってから、ペンギンたちの動きも活発になったという。以前は陸上にじっと立つだけだったのが、今は水中に潜って、時にはお客さんと遊んでくれる
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これも中村さんのこだわり、ペリカンがエサをノド袋ですくう様子を水中で見られる、世界初の展示
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最初のリニューアルでは、天空のアシカが『天空のオアシス』の象徴だった。気持ちよさそう
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屋上という弱点を長所にしたもう一つが屋上の緑化。第2次リニューアルでは、展示にも緑化を組み込んだ。「草原のペンギン」の斬新な展示
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カワウソの展示室内も緑化。草の中にいると動物たちは本来の生き生きとした可愛らしさを見せるというが、本当に別の種類のカワウソを見ているよう
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緑化された屋上は、夜間にはライトアップされてもう一つの顔を見せる。夏はビアガーデンを楽しむ人が多い
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屋内の水槽も、奥行きのない水槽でも広く感じさせる工夫がされている
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サンゴ礁の水中鍾乳洞を表した展示は、キサンゴの群生が花畑のようで女性に大人気。中村さんは奥行き感の作り方を、ミュージカルのステージを見て学んだという
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サンシャイン水族館最大のラグーン水槽。ビルの10階であることを忘れるほど広々とした水塊。本当は小さいのだが、展示スタッフと一緒に知恵を出し合って、どこまでも続いているように感じる、世界で最も美しい水塊が誕生した
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ラグーン水槽を借景にした、チョウチョウウオの水槽。狭い水槽を大きく見せるためのちょっとした工夫が、魔法のように効いている
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ラグーン水槽に仕掛けられた、光と泡のパフォーマンス。展示スタッフも新たな挑戦を恐れず進化するようになったのがうれしいと、中村さんは言う
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展示スタッフによって模様替えされた、躍動するイワシとサメの展示。中村さんが関わっていない展示も、以前のサンシャイン国際水族館時代にはなかった進化を見せるようになった
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浮遊感たっぷりの水塊クラゲトンネル。ビルの10階にもクラゲ展示であればトンネルを置けると、担当者が世界で初めての展示方法を提案した
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11階は淡水生物の展示なので、10階の海の展示から緑の陸地へと一瞬に舞台転換する。そのため、ここで中村さんが開発したのは天井の緑のシャンデリア。水槽は旧水族館のままなのに、印象がまったく変わった
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カエルコーナーは、とても充実している。水中で無くても水族館にマッチしている
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バイカル湖で、冬に氷の下でエサを捕るバイカルアザラシを表すために、水面に擬氷を浮かべた。氷らしく見せるとともに水中の明かりのために、世界初の光を通す擬氷を開発した
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最後の水槽は、唯一の日本の川。日本の川魚は誰も見てくれないため、水草を繁茂させることで水中のオアシス化を図り、魅力的な川の水塊を実現したという
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アシカが泳ぐドーナツ型水槽「サンシャインアクアリング」(以下サンシャイン水族館提供)
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頭上で自由気ままにモモイロペリカンが暮らす「天空パス」
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360度どの方向からも至近距離で観覧できる「アシカ・パフォーマンスタイム」

著者プロフィール

大宮冬洋(おおみや とうよう)

1976年埼玉県所沢市生まれ、東京都東村山市育ち。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。自主企画のフリーペーパー『蒲郡偏愛地図』を年1回発行しつつ、8万人の人口が徐々に減っている黄昏の町での生活を満喫中。月に10日間ほどは門前仲町に滞在し、東京原住民カルチャーを体験しつつ取材活動を行っている。個人のいまを美しいモノクロ写真と文章で保存する新サービス「ポートレート大宮」を東京・神楽坂で毎月実施中。著書に、『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる〜晩婚時代の幸せのつかみ方〜』(講談社+α新書)などがある。 公式ホームページ https://omiyatoyo.com


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