シニア世代の求人は本当に好調か:老後のお金(2/3 ページ)
今、シニア世代の求人が好調だという。40歳代、50歳代のビジネスパーソンの転職市場も活況を示しているらしい。老後の資金不足と関係はあるのか。
老後のお金が足りない
2000万円の不足問題が大きくクローズアップされるなか、せめて70歳までは働かなければ老後の暮らしは破綻してしまうと感じた人も少ないないだろうし、実際に多くの人が、働きたいと願っている。
多くの人が常識として思っていたことではあったものの、国にひもづくワーキンググループによって出されたレポートだっただけに、国民に突き付けられたかたちになった。
これからはさらに年金の減額や支給開始年齢の引き上げなどの問題をあるといわれ、不足する金額は2000万どころか3000万、4000万という計算結果もあるほどだ。
プルデンシャルジブラルタファイナンシャル(PGF)生命保険が発表した調査結果によれば、2019年に60歳になる人に貯蓄額を聞いたところ、「100万円未満」が24.7%。「100万円〜300万円未満」が(11.3%)、「500万円〜1000万円未満」は(11.1%)だったという。半数以上の人が、年金では足りないのだ。
一方、「1億円以上」(8.1%)、「5000万円〜1億円未満」(6.9%)とあり、かなりの格差となっている。さらに「貯金なし」も「1億円以上」もともに増加しているのだ。明らかに格差が拡大しており、お金は集まるところにより集まることを証明したかのようだ。
60歳以下のビジネスパーソンは、さらに厳しい状況にある。企業によっては、50歳代の余剰人員が企業の収益を圧迫しているという意見もよく聞く。大手企業では、中高年、いわゆる団塊ジュニア層のリストラを始めている企業があるという。
こうした状況は、将来に対する不安ばかりをあおり、65歳を過ぎても働きたいと考えざるを得ない状況となっている。
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