インタビュー
『ジャンプ』伝説の編集長が語る「21世紀のマンガ戦略」【後編】:マシリトが行く!(1/8 ページ)
『ジャンプ』伝説の編集長、マシリトこと鳥嶋和彦氏による特別講義の後編――。コミケの初代代表である原田央男氏がリードする形で、文化学園大学の学生からの質問に直接答えた。
文化学園大学(東京・西新宿)は去る4月23日、「Dr.マシリトと語る21世紀のMANGA戦略」と題する特別講義を開催した。
文化学園大学の「デザイン・造形学科 メディア映像クリエイションコース」では、多彩なゲストが出版・映像・Webのメディア状況を3年生に向けて語る、「新しいメディアのカタチ」という授業が行われている。その一環となる今回の特別講義に、『週刊少年ジャンプ』の元編集長であり、現在は白泉社の代表取締役会長を務める鳥嶋和彦氏が登壇。記事の前編(「『ジャンプ』伝説の編集長が語る「21世紀のマンガ戦略」【前編】」)では、同大学の特別外部講師・原田央男氏との対談を通して、デジタル化で大きく変わりつつある漫画業界の現状と今後について熱く語った。
鳥嶋和彦(とりしま・かずひこ)白泉社代表取締役会長。1976年に集英社へ入社後、『週刊少年ジャンプ』編集部に配属される。編集者として鳥山明、桂正和に代表される多くの漫画家を育成。『ジャンプ放送局』や『ファミコン神拳』といった企画ページも担当し、1993年には『Vジャンプ』を立ち上げた。原稿を容赦なくボツにする“鬼編集者”としても有名で、『Dr.スランプ』のDr.マシリト、『とっても!ラッキーマン』のトリシマンなど、ジャンプ連載作品に登場するキャラクターのモデルにもしばしばなっている。著書に『ボツ〜「少年ジャンプ」伝説の編集長の“嫌われる”仕事術〜』(小学館集英社プロダクション)(以下、撮影:山本宏樹)
原田央男(はらだ・てるお)大学在学中に漫画批評同人サークル「迷宮」を仲間と共に結成し、1975年から開催されている日本初の漫画同人誌即売会「コミックマーケット」の初代代表となった。以後“霜月たかなか”のペンネームで、漫画・アニメーション関連の記事や著作を執筆するフリーライターとして活躍し、鳥嶋和彦氏とは『こちら葛飾区亀有公園前派出所大全集 Kamedas』を始めとして、その下でムックや書籍の編集・執筆に多く携わっている。著書に、霜月たかなか名義の『コミックマーケット創世記 (朝日新書)』など
講義の後半は鳥嶋氏の希望により、聴講者からの質問に鳥嶋氏が直接回答する形で講義が進行した。読者ターゲットでもある大学生から生の意見を聴きたかったという鳥嶋氏は、編集志望者も多くいた生徒たちに対して率直な言葉で自身の思いを伝え、講義はさらに盛り上がった。
『ONE PIECE』は売れないと思っていた
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