静岡県知事の「リニア妨害」 県内からも不満噴出の衝撃【前編】:現地取材で覚えた「違和感」(5/5 ページ)
静岡県が大井川の減水問題などを理由に、リニア中央新幹線の建設工事に「待った」をかけ続けている。なぜ静岡県知事はリニア建設を「妨害」するのか? 現地取材で浮かび上がった実態を前後編でお届けする。
「リニア新駅設置相当額」は800億円 「禅問答」はどこまで続く?
なぜ、川勝知事はこれほど頑(かたく)なにJR東海を拒むのか。定例記者会見(19年6月11日)では、リニア中央新幹線建設促進期成同盟会(9都府県)を「JR東海に全額出資させて、各県に駅を作らせるための圧力団体」と決めつけたうえで、リニア工事を拒む理由とおぼしき内容を、自ら口にしている。
「もしも(環境に)損害を与えた場合に、その代償措置というものをだいたいどのぐらいに当たると思われますかね。(中略)東京、神奈川、山梨、岐阜、長野、愛知それらの所にはすでに工事が入っていますので、そこで地元に対して、要求に応じた形で駅を造るお金を支払われていると思いますけれども、その(駅の新設費用)全体の平均ぐらいは、額(代償措置のこと)としては目安になるんじゃないかと思いますね」(静岡県公式ホームページ「ふじのくに」より)
川勝知事は、環境に影響があると判明する前から、環境が悪化した場合の「代償措置」として、「リニア新駅設置額」相当を要求しているのだ。一説によると、リニア新駅の建設費用は800億円といわれる。のちに川勝知事は定例記者会見の内容について「代償は要求していない」と釈明したが、代償の要求は長年にわたって公言し続けてきた。
(後編に続く)
著者プロフィール
河崎貴一(かわさき たかかず)
サイエンスライター、ジャーナリスト。日本文藝家協会、日本ペンクラブ会員。科学、医学、歴史、ネット、PC、食のルポルタージュを多く執筆。著書に『インターネット犯罪』『日本のすごい食材』(ともに文春新書)、パソコン・ガイドブック『とことん使いこなそう!』シリーズほか多数。
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