「an」終了にみるバイト求人の本当の課題 テクノロジーは人材広告業界の不透明性を解消できるか:アルバイト採用支援ツール開発者に聞く(3/3 ページ)
パーソルグループ傘下のSEEDS COMPANYで、スマートフォンに特化した業界初の採用支援ツール「x:eee(エクシー)」の事業責任者を務める陳シェン氏に話を聞いた。
お風呂に入りながら求人活動
―― 現場で得た知見が生きているのですね。エクシーを立ち上げて、導入した企業からはどんな反響がありますか?
陳 顧客によく言われるのが、「本当に簡単に採用活動ができます」というものです。アンケートを取ると、募集を「移動中にできる」「お風呂に入りながらやっている」といろいろな声をいただきます。
―― 「来月辞めたいんですけど」ってアルバイトから急に電話がかかってきたら、お風呂に入りながらスマホでポチポチと募集を始められるという。
陳 また、採用Webサイトが作れるのも強みです。今までは1求人あたり1回広告を出すのに平均4万円ほどかかっていましたが、自社の採用サイトやオウンドメディアならもっと安価にできます。「店舗にポスターを貼る感覚でできて、応募が入ってくるのですごく助かる」と言っていただけます。
―― 採用サイトはエクシー側がプラットフォームを用意されていますよね。しかも、現在は無料で使えます。そこからの収益化はどのように考えているのでしょうか。
陳 求人媒体の版元と法人企業のツーサイドプラットフォームあるわけですが、どちらから収益を上げていくかは正直今は決めきれていません。いくつかのビジネスモデルの可能性がありますが、それぞれの一部に対してユーザー調査やテストをやっているので、それらを経て最終的に決めていきます。
―― エクシーは現場の問題を実際に目にしてきた陳さんだからこそできたサービスかもしれませんね。
陳 働く側はいろいろなものが整ってきて幸せになりつつあると思うのですが、雇い手側はなかなか考えられていません。小さなお店の採用担当や店長の可処分時間はほぼなくて、みんなが苦しい状態なので、そこもハッピーにしていきたいですね。
関連記事
- AIで採用活動はどう変わる? セプテーニに聞く「HR Tech」の現在
戦略的な人材計画をテクノロジーで補完するHR Techが注目を集めている。AIを用いた「(入社後の)活躍予測モデル」を新卒採用に導入したセプテーニ・ホールディングスの採用企画部に最新の取り組みを聞いた。 - 1万7000人の新卒が殺到する中小企業社長が語る、優秀な人材の集め方
社員20人の新興企業ながら、新卒採用に学生が殺到することで注目を集めるLegaseedの近藤代表に、人材採用のヒントや日本企業の課題を聞いた。 - 東大生ベンチャーが10億円調達 AIで理系学生の「最適な就職先」マッチングへ
理系学生の就活サービスを手掛ける東大生ベンチャーが10億円を資金調達。AIを活用し企業と院生の「意外なマッチング」実現を目指す。 - AIでリアルタイムに交通量を調査 服装などのトレンド情報も収集可能
Intelligence Designは、IoT端末を用いて安価に交通量調査を行える自動化サービス「IDEA counter」を発表した。 - ノートPC「Let's note」が“サブスク”に 働き方改革支援パッケージ
パナソニック システムソリューションズ ジャパンは、ノートPC「Let's note」本体と管理部門向けサービスを定額制で利用できる企業向けサービスを開始する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.