ZOZOが中国に再進出、7年ぶりの勝算はどこに?
ZOZOが12月10日にファッション通販サイト「ZOZOTOWN」の中国版を公開。同社にとって二度目の中国進出となるが、勝算はどこにあるのか。
ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは12月10日、中国版ZOZOTOWN「ZOZO」の提供を始めた。同社が中国に進出するのは2回目。日本で出店しているショップの商品を、中国でも販売できる「越境EC」として展開する。
まずは177ショップが出店。単に商品を販売するだけでなく、同社のコーディネートアプリ「WEAR」も活用して日本のファッション情報や着こなしを紹介することで、顧客の需要を喚起する考えだ。
ZOZO(当時はスタートトゥデイ)は、2011年10月に中国市場に参入。自社ECサイト「ZOZOTOWN CHINA」に加え、大手ECサイト「淘宝商城(タオバオモール)」内にも出店していたが、事業の伸び悩みなどを受けて13年に撤退した。同社は「商習慣の違いや、日本のブランドの知名度を十分に上げられなかったこともあり、期待した結果につながらなかった」(同社)としている。
その後、近年の中国におけるファッション小売市場の拡大や、日本のファッション文化への関心の高さなどを受けて、再進出を決定。19年4月に「今期中のサービス開始を目指す」と発表していた。
前回と異なり、今回は自社ECサイトのみの展開となる。中国国内に現地法人(ZOZO Shanghai)を置き、日本のブランドが中国で商品を販売する際に必要な配送、通関、翻訳、カスタマーサポートといった業務を代行。日本のZOZOTOWNで販売している商品を委託販売という形で展開する。商品在庫は日本国内にある物流センター「ZOZOBASE」で管理し、注文があれば中国に直接配送するとした。
なお、各ショップに発生するのは日本版ZOZOTOWNにかかる販売代行手数料のみで、中国進出によって追加手数料が発生することはないとしている。「出店ショップは、中国国内での在庫リスクを抱えたり、追加コストを負担したりすることなく、中国へのスピーディーな販路拡大が可能となる」(ZOZO)
同社は再進出に対し「ZOZOの強みである良質な商品やコンテンツを、中国ファッションや消費行動を理解した現地メンバーが提供することで、中国ユーザーが日中の垣根なくファッションを楽しめるサービスを目指す」とコメントしている。
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