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大戸屋が炎上した背景に、ブラック企業と日本軍の深い関係スピン経済の歩き方(2/5 ページ)

外食チェーン店を運営する「大戸屋ホールディングス」が、大きく揺れている。「ガイアの夜明け」の中で、同社の社長の言動が放送され、「ブラック企業」「パワハラ」などと批判されているのだ。なぜ、このような事態になったのかというと……。

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構造的な欠陥

 では、なぜこうなってしまうのか。「経営者が悪い」「大企業が悪い」「安倍政権が悪い」など、おそらく人によってさまざまな「犯人」が頭に思い浮かぶことだろうが、筆者の見方はちょっと違う。

 これは、誰が悪い、あいつが消えれば解決という類のものではなく、戦後の日本型組織において、苦しくなってくると表面化するシステムエラー、構造的な欠陥ではないかと思っている。

 その分かりやすい例が、日本企業が過重労働を前提として成り立っている組織であるため、そこで働く人の多くが内心、残業を「必要悪」と捉えてしまっている、という構造的な欠陥だ。


「自分の働き方が改善された」は10.2%(出典:ワークポート)

 こういう矛盾を抱えた組織が建前的に「残業を減らす!」とか叫ぶとどういうことになるかというと、誰かが強烈な帳尻合わせをしなくてはいけない。そこで往々にして人身御供(ひとみごくう)にされるのが、「現場」である。大戸屋の社長のように「なぜできない」「やる気がないのか」などと現場に問題解決を丸投げしてプレッシャーをかけ、「個人のがんばり」で組織の矛盾をチャラにしようとするのだ。

 これこそが近年、日本の労働現場で「下町ロケット」的な精神論がもてはやされ、壮絶なパワハラが横行してしまう構造的な理由である。

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