ブラック企業大賞企画委員会は12月23日、“今年1番のブラック企業”を決める「ブラック企業大賞2019」の受賞企業を発表した。労働環境などに問題があった企業を選出し、皮肉を込めて賞を贈る企画で、19年は8社1自治体がノミネート。大賞は「三菱電機」で、二度目の受賞となった。
「特別賞」は、再三にわたる労基法違反が問題視された電通と、残業代未払い問題で話題となったセブン-イレブン・ジャパンの2社が受賞。「Web投票賞」はパワハラ問題で注目された楽天が、「#MeToo賞」は市の幹部が女性記者に対し性暴力をふるう事件が起きた長崎市が受賞した。
大賞は過労自死問題で話題の三菱電機
大賞を受賞した三菱電機は、「ブラック企業大賞2018」でも大賞を受賞した企業。14〜17年にかけて男性社員5人が長時間労働によって精神疾患などを発症し、うち2人は過労自死していたことが18年に発覚。子会社であるメルコセミコンダクタエンジニアリング(MSEC)でも17年末に40代の技術者が自死し、こちらも長時間労働による労災と認定されている他、19年8月には再び三菱電機で20代の男性新入社員が自死。教育主任の30代男性社員が、自殺教唆の疑いで書類送検されるなど、数年にわたって問題となっていた。
ブラック企業大賞企画委員会は「あまりに異常なことが起きていると言わざるを得ない。悲しみと怒りを込め、大賞として表彰する」としている。
ブラック企業大賞は、従業員に長時間労働を強いる、残業代を未払いにする、いじめやハラスメントがあるなど、労働環境に問題があった企業を、弁護士や大学教授、ジャーナリストなどからなる実行委員会が選出し、皮肉を込めて“賞”を贈るもの。
過去には、過労自殺が相次いだ三菱電機(2018年)、営業社員の左遷が問題視された「アリさんマークの引越社」(2017年)、新人女性社員の過労自殺で話題になった電通(2016年)などが大賞を受賞している。例年授賞式には受賞企業を招いているが、これまで出席した企業はなく、今年も出席した企業はいなかった。
ブラック企業大賞企画委員会は「8回もやるとは思っていなかったが、ブラック企業と呼ばれる企業は減らない。続けざるを得ない状態だ」とコメントしている。
「例年通りの傾向だが、過労やパワハラによる自死や病気が多かった。それでも、われわれが選定するところに届くのはごく一部だ。まだまだ日本の“真面目に働いたら亡くなってしまう”という傾向はいまだに変わっていないのだろと思う」(ブラック企業大賞企画委員会)
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