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「人生の“選択”には意味がない」――倒産寸前の会社を再建した『破天荒フェニックス』、OWNDAYS田中修治社長の経営哲学【第1回】気鋭の経営者が語る「失敗の法則」(4/4 ページ)

2020年がいよいよ幕を開けた。年初にふさわしい企業経営者のインタビューを前後編でお届けする。多額の債務を背負い、債務超過で倒産寸前だったメガネ製造販売チェーンの「OWNDAYS」を30歳のときに買い取り、10年足らずで再建を果たした田中修治社長だ。前編ではOWNDAYSが海外に進出する際に何を重視していたのか、なぜ日本企業の海外進出は奏功しにくいのかを聞いていく。

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経営者が勉強すべきことは「英語」ではない

――確かに海外進出は社長のカラーが出やすいですね。大手企業には英語を公用語化した会社もありますね。

 大人になってから語学を勉強しても、費用対効果がとても悪いんですよ。言語は人間が持っているもともとの能力です。どんな人でも現地にいればしゃべれます。逆に、使う環境がない中で習得するのは非常に難しい。海外進出した当初は英会話教室でビジネス特訓講座を受けていたんです。家でもやっていたので、カタコトのコミュニケーションは3カ月ぐらいで、なんとかできるようになりました。

 そのころ、新入社員に英語がペラペラの人がいて、「社長もあと2年くらい今みたいに勉強し続けて、そこから半年くらい海外留学すれば僕みたいに話せるようになりますよ!」って言われたんですね。「2年半かけて新卒と同じスキルを身に付けてどうすんだよ!」って思って、英語の勉強はそのときにすっぱりやめました(笑)。

 僕の仕事は会社経営であって、海外には英語の勉強をするために行っているんじゃない。ビジネスを伸ばしに行っているんですよね。そのために今自分が一番時間を使わないといけないのは、中学生レベルの英語を勉強することではない。進出した先の国の歴史や文化的な背景、経済や政治の仕組み、その国の会計基準を真っ先に勉強しなきゃダメだろって。そこを履き違えないようにしています。

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OWNDAYS本社にて。左は筆者の森永康平氏

著者プロフィール

森永康平(もりなが こうへい)

株式会社マネネCEO / 経済アナリスト。証券会社や運用会社にてアナリスト、ストラテジストとして日本の中小型株式や新興国経済のリサーチ業務に従事。

現在は複数のベンチャー企業のCFOや監査役も兼任している。

 著書に『親子ゼニ問答』(角川新書)。日本証券アナリスト協会検定会員。Twitterは@KoheiMorinaga


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