「成功はアート、失敗はサイエンス」――倒産寸前の会社を再建した『破天荒フェニックス』、OWNDAYS田中修治社長が語る「会社経営失敗の法則」:【第2回】気鋭の経営者が語る「失敗の法則」(4/4 ページ)
2020年がいよいよ幕を開けた。多額の債務を背負い、債務超過で倒産寸前だったメガネ製造販売チェーンの「OWNDAYS」を30歳のときに買い取り、10年足らずで再建を果たした田中修治社長のインタビューを前後編でお届けする。後編となる第2回目では、OWNDAYS再建時に大切にしていた考え方に迫っていく。人材採用や社員教育など話は多岐にわたった。
男の嫉妬は質が悪い
―――「トップインタビュー」というこのサイトでは、働き方について、いろいろな経営者の方に取材をしているのですが、田中社長がこれまでに体験した仕事上の失敗経験と、その経験から学んだことを率直に教えてください。
「男の嫉妬はたちが悪い」ということですね。商売を始めたばかりのときに、1歳年上の男性(当時21歳)を雇っていたんですね。当時の自分は調子に乗っていて、自分の方が年下にもかかわらず偉そうに兄貴分を気取っていました。そしたら、実は裏では自分のことをすごく嫌っていて、いろいろなワナにはめられました(笑)。しかし当時の僕は、その彼が持っている二面性に全く気付けていませんでした。
別の人から聞かされたんですよ。「彼は会社の金を奪っている。社長のことを悪く言っているし、他の社員も辞めさせていますよ」って。会社をつぶそうとしているということなんですけど、当時は「そんなわけがない」と思っていました。でも、証拠が出てきた。それで、その夜に駐車場で問いただしたら、逆上して、「オレはお前が昔から嫌いだったんだよ」って。しかも、その理由が「好きな子をとられたから」っていう(笑)。
―――想像していたストーリーではなかったです(笑)。どうやったら男の嫉妬を避けられますか?
だいたい、男で反感を買う人っていうのは目上の人に礼儀がなっていないんですね。当社では年上の社員には全員「さん」を付けて呼んでいます。当社の役員なんて自分より年上ばかりですし。「命令すること」と「指示すること」は違いますし、「偉そうにすること」もまた違うんですね。
あとは、プライベートを出さないことですかね。金持ちアピールをしない。(ホリエモンこと)堀江貴文さんも「男の嫉妬はこわい」って言っていましたよ。ライブドア事件があったときに、堀江さんに不利な証言をしていた人がいたんですけど、彼がそうしていた理由は「自分だけ堀江さんにご飯に誘われなかった」という理由だったそうです。それ以来、僕はなるべく食事にはみんなを誘うようにしています(笑)。
著者プロフィール
森永康平(もりなが こうへい)
株式会社マネネCEO / 経済アナリスト。証券会社や運用会社にてアナリスト、ストラテジストとして日本の中小型株式や新興国経済のリサーチ業務に従事。
現在は複数のベンチャー企業のCFOや監査役も兼任している。
著書に『親子ゼニ問答』(角川新書)。日本証券アナリスト協会検定会員。Twitterは@KoheiMorinaga。
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