「粉飾決算」倒産、前年比2倍
粉飾決算が原因で、倒産した企業はどのくらいあるのだろうか。東京商工リサーチが調べたところ、2019年は18件で前年と比べ2倍に増えていることが分かった。
コンプライアンス違反(意図的な法令違反や社会規範・倫理に反する行為など)が原因で倒産した会社のうち、粉飾決算が確認されたのはどのくらいあるのだろうか。2019年1〜12月のデータをみると、粉飾決算が確認された倒産は18件(前年9件)と、前年から2倍に増えていることが、東京商工リサーチの調査で分かった。
粉飾決算に手を染めたきっかけはさまざまで、「海外での投資失敗の隠ぺい」「業績低迷で取引先からの支払い条件が厳しくなった」など事業上の要因だけでなく、「代表者の相続税を支払うため」など、事業承継にからんだものあった。また、30年にわたり粉飾決算を続けていた「開成コーポレーション」(埼玉県・破産)のように、粉飾決算の期間が長期にわたるケースも目立った。
都道府県別でみると「東京都」(6件)が最も多く、次いで「埼玉県」(4件)、「福岡県」「大阪府」「千葉県」(各2件)、「鳥取県」「富山県」(各1件)と続いた。負債別では「10億円以上」(9件)が最も多く、「1億円以上5億円未満」が6件、「5億円以上10億円未満」が3件という結果に。
「粉飾決算は、資金繰りが維持されている間は発覚しにくい。だが、人件費の負担などから資金繰りがひっ迫し、金融機関に借入返済のリスケ(返済猶予)を要請する際、粉飾決算が発覚するケースが増えている。また、倒産ではないが粉飾を続けてきた企業のなかには、金融機関に粉飾決算を明らかにしたうえで、私的整理の形で再建を目指す企業も散見される」(東京商工リサーチ)
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