オフィスワークとリモートワークを融合「マーブルな働き方」へ ミクシィの新型コロナ対応:6カ条を制定(2/2 ページ)
ミクシィは2020年7月、出社とリモートワークを選択する働き方「マーブルワークスタイル」を発表。感染対策としての在宅勤務だけではなく、コロナ禍以降の働き方を視野に入れたものだ。その内容は。
この狙いについて柳本さんに伺うと「これまで対面コミュニケーションを重視してきましたが、役員を含めてリモートワークを体験したことで、リモートのメリットも周知されるようになりました。しかし、コミュニケーションは1人では最適化できません。
リモートワークの推奨が逆に出社の妨げになったり、『この会議は○さんの出社日に』といった遠慮で効率を落とすことがないよう、会社の方針として『一定はオフィスに出社しよう』とメッセージ発信をしています」と説明する。
リモートワークの日数上限についても、マネジャーへのヒアリングから3 日としているが、今後の運用を通じて最適なラインをめざしていく。
なお介護や看護、疾患などの事情は当然考慮し、また部門ごとに部長に裁量をもたせて、個別の判断が柔軟にできるようにしている。
より自由な働き方の構築をめざす
リモートワークとオフィスワークが混ざり合う働き方を目指すミクシィ。リアルとオンラインにはそれぞれメリットがある。
柳本さんは「在宅勤務は没頭できる一方で、細かいコミュニケーションによる調整が働きにくく、局所最適になってしまっているのではないかという懸念があります。個人にとって最適でも、チームの成果としてかみ合わない場合もあります。目の前の仕事だけではなく、より広く、会社や部門の方向性をみる視座が求められると考えています」と、マーブルだからこその課題を指摘する。
コロナ禍で大きく導入が進んだテレワークだが、働く場所と時間をより柔軟化するという動きは以前から進められてきたものだ。ミクシィの新しい働き方「マーブルワークスタイル」がどのように実践され、展開していくか、これからも注視したい。
(10月26日 取材)
関連記事
- 「正直、不安だった」 “ひとり人事”が入社直後、最初に取り組んだこと
2019年1月、note株式会社に「会社初の人事専任担当者」として入社した、北上あいさん。入社当時、採用活動は各事業を担当する役員が自ら採用計画を立てて実施していたという。そんな状況から、人材採用プロセス、評価制度などをどう整備していったのか。 - 「私、何もできていない」──在宅勤務で新入社員の不安が大爆発、解決したのは“全国をつなぐバーチャルオフィス”
コロナ禍をきっかけに在宅勤務が広がる一方で、多くの企業が課題に感じるのがコミュニケーション不足だ。エン・ジャパンでも特に営業担当の若手社員を中心に、慣れない在宅勤務で不安を感じるケースが多かったという。それを解決したのが“バーチャルオフィス”だ。活用することで情報交換が活発になり営業成績もアップしたというバーチャルオフィスの導入秘話を聞いた。 - 面積を40%削減、座席数は75%減 ぐるなび流「たくましい社員」に使ってもらえる本社オフィス
ぐるなびが11月、新しい本社オフィスの運用を始めた。本社オフィスの面積を40%減らし、オープンスペースにブース状の小部屋を用意するなど、レイアウトを大きく変えた。 - なぜ? 会議室に「鏡」 アイデア勝負で3密回避、面白法人カヤックのオフィス
コロナ禍で、ほぼ全ての社員がリモートワークを余儀なくされた面白法人カヤック。しかし、ちょっとした雑談やブレストを大事にしている同社のワークスタイルとは相いれなかった。そこで、密にならないオフィスを作ろうと奮闘している。
© 人事実務