銀座線の渋谷駅はどうなった? 工事はまだまだ続く(1/4 ページ)
東京メトロ銀座線「渋谷駅」の移設工事が完了し、新駅舎の供用がスタートした。JR線と渋谷ヒカリエの間を走る明治通り上空に移設したわけだが、どんな駅になっているのか。実際に足を運んだところ……。
今年1月3日から、東京メトロ銀座線の渋谷駅ホームがこれまでの東急百貨店内から、明治通り上空に移設した上で、新しく供用が開始されることになった。
渋谷駅街区基盤整備により09年から駅移設工事を進め、今回の移設工事により、新しい場所での営業がようやく開始されることになった。
これまでの東京メトロ銀座線の渋谷駅ホームは、東京メトロの前身、営団地下鉄が営団になる前の民営時代につくられたものだった。その際の事業者は「東京高速鉄道」という会社で、東急系の企業だった。
銀座線渋谷駅が地上にあるのは、表参道から地上は急勾配になっているため、ずっと地下を走らせるような形にすると当時の電車では走行が難しかったからである。地上に飛び出しているかのように見えるのは、表参道からまっすぐ走らせると、あの位置になってしまうからだ。
東急百貨店東横店は当時、「東横百貨店」と呼ばれ、旧ホームのある東京高速鉄道渋谷駅は1938年に開業した。その翌年には、玉川電気鉄道玉川線のホームが東横百貨店内に開業し、接続の利便性向上をはかった。玉川線は溝ノ口方面へと伸びる路面電車であり、現在の東急田園都市線とほぼ同じルートをたどっている。また、支線だった東急世田谷線は、いまも運行されている。玉川電気鉄道ものちに東急に合併される。
また、あの位置にあることで、東京横浜電鉄(現在の東急東横線)との接続も確保され、郊外からの利用者が都心に向かうのに便利だったこともある。現在の東急東横線は地下駅だが、当時は地上駅であり、大きなターミナルだった。その時代としてはあの位置にあるのが妥当だったことになる。
そんな銀座線の地上ホームが、現在の位置に移転することになる。
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