東急電鉄が「サブスクパス」を導入、狙いは?(1/4 ページ)
東急電鉄が「サブスクパス」の実証実験を開始すると発表した。東急線全線や東急バス全線の乗り放題を基本にしているが、なぜこのようなサービスを始めたのか。
さまざまな分野で、「サブスクリプション」(以下、サブスク)のサービスが導入されている。PCのオフィスソフトでは、マイクロソフトの「Office 365」というサービスでWordやExcelなどがいつも最新のバージョンで利用することができ、クリエイティブ業界ではデファクトスタンダードの「Adobe Creative Cloud」で、高額なソフトを月額単位で使用できる。
ソフトウェアの世界だけではない。焼肉チェーン「牛角」(運営:レインズインターナショナル)の一部店舗でサブスクを開始したものの、人気が殺到して申込みを終了したほどだ。ブランド品のサブスクも人気があり、多くのメディアが取り上げている。
そんな中、鉄道もサブスクに参入する。参入したのは、鉄道だけではなく、沿線開発や関連事業にも力を入れている、あのグループだ。
沿線丸抱えの会社だからできるサービス
東急電鉄は先日、東急線全線や東急バス全線の乗り放題を基本とした「東急線・東急バス サブスクパス」の実証実験を開始すると発表した。このパスでは、1カ月単位で東急線全線・東急バス全線の乗り放題乗車券を基本とし、映画館チェーン「109シネマズ」の映画見放題パスや、東急駅構内の「しぶそば」の定額パス、専用電動自転車&駐輪場の貸与サービスのいずれかを追加し、東急が運営するオンラインサイト「SALUS ONLINE MARKET」で販売するというものである。
1月に受付を始めたものは、3月1日から1カ月間使用できる。価格は、電車・バスと映画、そばのセットで3万3500円(すべて税込、1日当たりおよそ1120円)、電車・バスと映画のセットで3万円(1日当たりおよそ1000円)、電車・バスとしぶそばのセットで2万3500円(1日当たりおよそ790円)となっている。
なお、そばは「かけそば」もしくは「もりそば」となっており、うどんも選択できるものの、かき揚げなどのトッピングはその場で支払うことになっている。
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