やはり「24時間営業」はやめなければいけない、勘違いな理由:スピン経済の歩き方(5/5 ページ)
「ガスト」「ジョナサン」などを運営するすかいらーくホールディングスが、2020年4月までに24時間営業を廃止すると発表した。さまざまなサービスで「24時間営業」は当たり前になっているが、歴史を振り返ると、実は……。
新しい時代の便利さ
無人コンビニや無人ファミレスならばいいが、現行のような「24時間営業店舗」は社会の中に「便利の奴隷」を増やすことにしかならない。そして、この奴隷のおかげで誰かの便利、誰かの利益がつくりだされるので、奴隷をもっと社会に供給せよというバイアスが社会にかかる。
これが日本を貧しくしてきたことは、この20年間がすべて証明している。コンビニでもファミレスでも「24時間営業」は麻薬と同じで、一度それに依存をしてしまうとそこから立ち直るのは難しい。だから、我々はいつまでたってもデフレから抜け出すことができないのだ。
断っておくが「24時間営業」をするなと言っているわけではなくて、「奴隷」を使う便利さの追及をもうやめるべきだと言っているのだ。
これだけテクノロジーが進んだ世の中なのだから、完全スマホ決済の無人コンビニ、冷凍メニューを自分でチンする無人ファミレスなど「新しい時代の便利さ」を社会全体でつくり出していくべきではないのか。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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