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元国税専門官が明かす確定申告の極意 「内容を間違えていても、期限内に申告すべき理由」元国税専門官が教える『確定申告、得なのはどっち?』(2)(1/4 ページ)

今年も確定申告の時期が到来した。税金の仕組みは複雑で、「どっちが正解?」と迷うことが少なくない。だが1つ判断を間違うと、税金が高くなってしまうこともある。東京国税局に勤務していた元国税専門官が、こうした確定申告にまつわる迷いやすいポイントを3回に分けて解説していく。2回目は「内容が間違えていても、期限は守る」と「正しい申告書を作って、期限後に出す」という選択で、どちらがベターなのかを解説する。

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 2019年分の所得税の確定申告期限は、2020年3月16日(月)です。確定申告期限は原則として毎年3月15日なのですが、20年3月15日は日曜日なので、今回は16日となります。

 期限が近づくにつれて、焦りを感じる人も少なくないでしょう。期限内に正しい申告をするのが一番いいのは言うまでもありませんが、どうしても時間が足りないときはどうすべきなのか――。

 このとき、「内容が間違えていても、期限は守る」と「正しい申告書を作って、期限後に出す」という究極の選択に迫られるかもしれません。このどちらを選択するかによって、納める税額が変わる可能性があります。

 近刊『確定申告〈所得・必要経費・控除〉得なのはどっち? 元国税専門官が教える! 』(河出書房新社)でも取り上げたこのテーマについて、お答えします。

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2019年分の所得税の確定申告期限は、2020年3月16日(月)だ(写真提供:ゲッティイメージズ)

確定申告に関するペナルティー

 確定申告には期限があります。もちろん、期限までにきちんと正しく申告をするのが一番ですが、ときにはどうしても間に合わないという場合もあるでしょう。そうしたとき、「内容に不安がある状態でも期限内に出すべきか」「遅れたとしても、きちんと計算して出すべきか」という選択に迫られるかもしれません。

 このとき、いずれの選択をした場合でも、「加算税」というペナルティーを課せられる可能性があります。個人の確定申告に関係する加算税は次の3種類ありますので、まずはその特徴を見ておきましょう。

(1)過少申告加算税

 過少申告(本来の税額よりも少ない税額で申告)であったため、申告のやり直し(修正申告)をした場合に課せられるもの。

(2)無申告加算税

 無申告(確定申告の期限までに申告していない)であったため、申告期限後に申告(期限後申告)をした場合に課せられるもの。

(3)重加算税

 意図的に少なく申告するなど、「仮装・隠蔽(いんぺい)」があった場合に課せられるもの。「仮装・隠蔽」とは、意図的に領収書を改ざんしたり、売上を隠したりしたりと、いわゆる脱税行為のことを指します。

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脱税行為は論外だが、過少申告や無申告だった場合も、「加算税」というペナルティーを課せられる可能性がある(写真提供:ゲッティイメージズ)
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