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新型肺炎が教える中国ビジネスのリスク パンデミックが多発する中国との付き合い方新型肺炎が教える中国ビジネスのリスク(1)(3/5 ページ)

新型肺炎の感染拡大が連日のように報道されている。報道を見れば見るほど、私たち日本人は「中国リスク」を痛感させられているのではないだろうか。本連載では中国ビジネスについての歴史的な経緯をクローズアップ。中国となんらかの関わりを持つ人が事前に知っておくべき教養と、新型肺炎がもたらすリスクについて取り上げていく。第1回目は、報道があまりなされない中国の食文化・食習慣と新型肺炎の関連性についてふれる。

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酒豪の社員を参席させるのが得策

 白酒は小さいお猪口(ちょこ)に注ぎ、一気飲みするのが基本。相手から乾杯を求められたら、断るのは野暮(やぼ)というもの。下戸や弱い人は、最初にそのことを伝えておくか、代理で飲む係として、酒豪の社員を参席させるのが得策である。

 乾杯は最初と最後に各一杯では済まず、誰か音頭を取る者がいればそのたびにしなければならず、相手側から指名で一対一となることもあるので、酒に自信のある人でも、悪酔いをしないために、遠慮することなく、しっかり料理を食べておくのが望ましい。

 これが結婚式となると、新郎は列席者全員と乾杯をしなければならないから、なおさら大変なことになる。筆者はかつて中国留学中に知人の結婚式に参列したときにそう感じ、以来このことがずっと頭の中を離れずにいた。最近になってようやく、懇意にしている在日中国人から、新郎のお猪口に注がれるのが本当は「水」であるということを教えてもらった。言われてみれば確かに、お猪口とはいえ70度もある酒を100杯近く飲んで酔わずにいられるなど、並みの人間にできるはずもないのだから。

 いくら度数の高い酒を飲まされるとはいえ、結婚式に限らず、仕事上の会食や完全なる宴席でも、泥酔はご法度である。そんな醜態を晒(さら)すようでは、相手の信頼を得ることなどままならず、まとまりけた商談もお流れになりかねない。飲んでも飲まれない大人の飲み方をしなければならない。

 仕事上の会食であれば、結果を出すことが求められるが、それは一朝一夕ではいかないこと。酒の勢いで、旧知の仲になったような感覚になることが多いが、それは錯覚であることを肝に銘じておく必要がある。大勢での会食は信頼関係を構築するうえでのあくまで出発点にすぎないことを。最近は健康志向の高まりとともに、乾杯をビールで行い、飲み干さなくともよいとする人も増えているが、相手の嗜好が分からないうちは、伝統的な慣習に照らして備えていくのがよいだろう。

 招待宴があれば、ホストが入れ替わっての答礼宴がある。これを交互に繰り返すうち、互いの家を訪問し合う関係になれればしめたもの。欧米社会と同じく、それは最初のハードルを超えた証なのだから。

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中国の結婚式では、新郎は列席者全員と乾杯をしなければならない(写真提供:ゲッティイメージズ)

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